自動車関連事業推進センター

ポリプロピレン複合材料の高機能化4.ガラス長繊維(LGF)/PP複合材料

  LGFにより強化したPP複合材料は、金属やエンジニアリングプラスチックス(エンプラ)からの代替材として既に市場に浸透しており、自動車分野においても各種モジュールのキャリアやプレートなどで採用されている。LGFとPPの複合化には、プルトルージョン法(溶融含浸法)が採用されることが多い。この製造法で得られたPP複合材料は、他の製造法に比べてLGFの分散性に優れ、高強度を発現する特徴がある4)
  日本ポリプロ(株)では、チーグラー・ナッタ触媒により製造されたPPをベースに、プルトルージョン法によりLGFと複合化したPP複合材料のファンクスター™(FUNCSTER™)を販売している。図6および図7に、GF40%、50%、57%のファンクスター™の各グレードと、代表的なエンプラであるPA66、PC、PBTのGF30%強化品との物性値(曲げ弾性率、アイゾット衝撃値、比重)を比較した事例を示す。
  曲げ弾性率とアイゾット衝撃値の関係を示す図6からは、曲げ弾性率が同等の条件下において、LGF/PP複合材料は高い耐衝撃性を有することがわかる。これは、成形品の中でLGFが互いに絡み合って疑似ネットワークを形成している影響と考えられている。また、曲げ弾性率と比重の関係を示す図7からは、曲げ弾性率が同等の条件下において、LGF/PP複合材料は約10%程度比重が低いことがわかる。
  一方図8はLGF/PP複合材料の流動性をエンプラのGF強化品と比較して示す。LGF/PP複合材料は高い流動性を有していることから、複雑な形状の成形品への適用も可能となる。そのため、金属製のモジュールでは数多くのパーツの溶接やボルト留めが必要だったが、LGF/PP複合材料にすることで、一工程で一体成形できることにより、軽量化と共に製造工程の省力化も図れる。また相対的に低い圧力で成形できるので、省エネルギー化の観点から有利であり、成形機も小型化できる。
  このようにLGF/PP複合材料を活用すると、高い剛性と耐衝撃性のバランスを維持しつつ、部品の軽量化が可能となる。



参考文献
1)平成21年度地域活性化推進調査報告「自動車の電子化に係る欧州産学官連携と地域産業振興調査」報告書,経済産業省 中国経済産業局
2)Production Statistics, International Organization of Motor Vehicle Manufacturers (http://www.oica.net/)
3)金子玄:高分子,vol.53,p796(2004)
4)畑田浩一:成形加工,21(3),p.146(2009)

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