自動車関連事業推進センター

ポリプロピレン複合材料の高機能化2.メタロセンPP複合材料

  メタロセンPPのWINTEC™は、独自のメタロセン触媒による均一な分子構造が特徴であり、結晶も均一な構造となるため、透明性の高い成形品を得ることが出来る3)
  自動車分野への展開では、例えば顔料を混練して着色したWINTEC™複合材料は、従来の自動車用PPに比べてベースポリマーの透明性が高いため、色鮮やかに発色する特徴がある。これにより、従来は塗装されていた自動車内装部材など、意匠性が求められる部材への適用が見込まれ、無塗装化による環境負荷低減が期待される。特にメタリック顔料のような光を反射する粒子で着色した際は、成形品表層の粒子だけでなく、内部にある粒子も強く光を反射するため、従来PP品より輝度の高い着色成形品が得られる利点も持っている。
  一方、機械物性については、図1(蛍光灯を透かして比較)に示すような透明性を維持しながら、従来PPとほぼ同等の物性バランス(曲げ弾性率:1,100MPa、シャルピー衝撃強度[23℃]:32kJ/m2)を有するWINTEC™複合材料を開発しており、従来PPと同様に取り扱えるため、自動車内装部材への適用が検討し易い。
  また、WINTEC™複合材料は光の拡散性を調整する事で、LED照明用のカバーとしての用途も期待される。
  メタロセンPP(WINTEC™)の性能を既存の種々の透明樹脂との比較を表1に示した。透明性樹脂の代表であるPMMAと比べ、軽量で破損し難く、また、汚れを薬品等で拭いても変色や変形せず、高いストレスクラック耐性を有することから、製品が取扱い易い。更に、他の樹脂と比べて、成形する際も吸湿しないため乾燥をする必要が無く、また、他の樹脂と比べて低温で成形が可能であるため、作業効率が良く生産性にも優れている。



参考文献
1)平成21年度地域活性化推進調査報告「自動車の電子化に係る欧州産学官連携と地域産業振興調査」報告書,経済産業省 中国経済産業局
2)Production Statistics, International Organization of Motor Vehicle Manufacturers (http://www.oica.net/)
3)金子玄:高分子,vol.53,p796(2004)
4)畑田浩一:成形加工,21(3),p.146(2009)

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