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X線検査以外の放射線検査

   最近検査利用が増えている検査として、がんや炎症の病巣を調べたり、腫瘍の大きさや場所の特定、良性・悪性の区別、転移状況や治療効果の判定、再発の診断などに利用されるPET検査(positron emission tomography :陽電子放出断層撮影)があります。この検査は、体内に注射したトレーサから放射されるγ線(ガンマ線)を検出しCT同様な計算をすることで、検査できます。このγ線検出器にも、γ線に合わせたシンチレータが用いられています。
PET検査

   X線検査がその先駆けとなった医療現場における“医用画像診断”と“放射線利用医療”により、疾病の早期発見や難しい疾病の治療など高度医療に貢献してきました。この分野は更なる技術開発が進むと予想され、手術ロボットやドラッグデリバリィシステム(DDS)等の新しい技術とともに、一層快適でQOLの高い生活を実現すると期待されています。

   また非破壊検査を中心とした設備診断、手荷物検査を代表とするセキュリティ検査、食品の異物混入発見のための異物検査など、製造業を中心とした工業用途や非医療のサービス用途におけるX線検査は、安全・安心への要求の高まりとともに、ますます重要になってきています。また同じ医療でもペット(愛玩動物)用のX線検査装置市場も形成されつつあります。これらの検査の高度化・デジタル化・多機能化に果たすX線シンチレータの役割は拡大しています。


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