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X線検査の概要

    1895年のレントゲンによるX線発見、1897年のエジソンによるX線感光紙(CaWO4増感紙)発明によって、 “レントゲン検査”の名前で広く知られている透視撮影による医用透視診断が可能になりました。

この診断手法により、骨折のような怪我の状態や肺炎などの疾患が、非侵襲(注射や手術を必要とせず、苦痛を伴わない診断)で診断でき、検査および治療に大きく貢献してきました。

   またこの技術は医学用途だけではなく、空港での手荷物検査のようなセキュリティ検査、食品に金属物が入っていないか検査し安心を担保する異物検査や、化学プラント等の配管や装置の健全性を診断し安全を確保する欠陥検査へと展開され、私たちの生活における安全・安心の向上に繋がっています。これら検査はX線透視を使って、検査対象を壊さずに検査できることから非破壊検査とも呼ばれています。

非破壊検査

    なお、1980年以前のレントゲン検査(X線検査)では、

  1. 1)検査結果はレントゲンフィルムと呼ばれる撮影像を現像したフィルムで取り扱われていました。そのため、検査情報の伝達でのフィルム運搬や、検査結果を残すためのフィルム保管に場所や労力が必要でした。
  2. 2)X線は大量に浴びると放射線被爆を起こします。よってできるだけ少量のX線での効率よく撮影することが必要です。X線自体は直接の写真作用が非常に弱いので、効率向上のため、X線フィルムとともに特殊な感光材料を塗布した厚紙やプラスチック(増感紙)と組み合わせて用いられています。


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