自動車関連事業推進センター

MCCアドバンスドモールディングス株式会社発足

1.はじめに

 三菱ケミカル㈱(以下MCC社)のグループ会社である油化電子㈱とダイアモールディング㈱が2019年4月1日付で合併し、新社「MCCアドバンスドモールディングス㈱[別窓表示]」(以下MCCAM社)が発足した。

 前身の油化電子は、カーボンナノチューブ応用部品等の精密電子機構部品、歯科及び医療検査容器等の成形部品、カラ—プリンタ用中間転写ベルト等を含めた機能フィルム、LEDモジュールを中心とした光学部品等、幅広い事業を展開してきた。一方のダイアモールディングは、自動車・車載分野、家電分野において、射出成形部品を金型開発から成形・塗装・組み立てまで一貫した生産体制のもと、加飾技術を強みとして高品質な製品を製造してきた。

 MCCAM社は、合併により事業を統合することで、従前からの両社の強みである高分子複合技術、 精密加工技術、高機能化技術、製造管理技術、加飾技術を融合して樹脂加工業界において確固たる地位の確立を目指すとともに、お客様の要望に応えるソリューションを提供し、MCC社グループのフォーカスマーケットであるオートモーティブ、 メディカル等の分野において付加価値の高い製品を中心に事業基盤の更なる強化を図っていく。

2.自動車、車載部品への取り組み

 MCCAM社は、「金型製作から成形、塗装、印刷等の各種二次加工までを一貫対応する」ことをコンセプトに、お客様のニーズに応えているが、特に自動車、車載分野に対しては、家電分野で培った技術を基に、①高外観製品、②多機能製品 を提供している。

多様性のある生産体制

1.一貫体制

 MCCAM社では、金型開発から製品の完成まで一貫した生産フローを構築しており、お客様の多様なニーズに応えるべく、高品質な製品を製造している。複数の製造工程を社内に有しながらも、工程・仕掛品の流れを最適化させることで、輸送や仕掛が原因となる不良を低減し、高品質、高歩留を実現している。

 更に近年では、単純作業の効率化・省人化を目的に自動化にも注力しており、生産工程の中に安全性を重視した協働ロボットを導入し始めている。


2.設備紹介

成形機

型締圧30~2,500tの成形機を全事業所で73台所有しており、H&C成形、圧縮成形、二色成形など多彩な技術を駆使し、お客様のニーズを形にする。

塗装ライン

ロボット塗装とスピンドル塗装を中心に小型~大型まで幅広いサイズの塗装が可能で、異物対策も徹底し、高光沢塗装、UV塗装なども高歩留で生産する。

組立・加工

印刷・組立・溶着など、製品ごとに異なる多種多様な加工や組立に柔軟に対応できる。使用する治具の開発も行っており、より正確かつ効率的な生産を実現している。

省人化ロボット

安全性、正確性、効率化をキーワードに工程作業に省人化ロボットを導入しており、より効率的に、安全な生産を目指し、更なる自動化を進めている。


~多色成形~
~特殊成形、塗装~



① カバーレンズ(センターインフォメーションディスプレイ)
② 非局面ミラー



3.まとめ

    1.業界の動向

     近年、自動車業界を取り巻く環境は、「100年に一度の大変革期」と言われるように大きく変化している。
     また、既に指摘があるように、今後の自動車は、「Connected」、「Autonomous 」、「Shared/ Service」、「Electric 」をキーワードに、より安全で、環境に優しく、簡単に利用できる側面を強めていくことが考えられる。
     それにより、自動車は、従来から、時代の変化と共に常に進化を遂げてきたが、今後も更に大きく進化を遂げていくことになる。


    2.自動車部品を取り巻く変化

     その上で、自動車を取り巻く環境変化に対応した、搭載部品の変化への対応がある。
     自動運転化や電動化に伴い、新たな部品が搭載されることはもちろんのこと、従来から存在している機構部品や電装部品に対するニーズの変化が予想される。
     特に様々なサービスと繋がり、自動車が得る情報が増えることで、それらを投影するディスプレイ周りの部品や、表示機器などはより要求が高度化し、需要も拡大すると見込まれている。

MCCアドバンスドモールディングス株式会社[別窓表示]

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