1.はじめに

   株式会社チャレンヂ(本社:埼玉県狭山市、以下「チャレンヂ社」)は1970年の創業で、レーシングカー分野におけるCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)部品の設計・製造・加工に対して草分け的存在として、1980年代半ばから取り組んできた。自動車の世界最高峰の耐久レースとされる「ル・マン24時間レース」の決勝に臨んだ42台のうちの9台が同社製の年もあった。オートクレーブ成形(以下「AC」)による自動車部品製造の先駆者であり、1998年には日産自動車社「スカイラインGT-R」のCFRP部品(ディフューザ)のACによる量産を日本で初めて手掛けた。2012年11月にMCC社傘下の会社となった。

  同社が2013年に発表した、オールCFRP製(タイヤなど特別な部品を除く)コンセプトカーは、日本のレーシングカー技術をそのまま公道走行車に移植したスポーツカーで、材料開発や新工法の提案のために作られた(図1)。同社のデザイン・設計~組み付け・完成検査までを一括で行う技術が凝縮されている。同社は、CFRPの特性を最大限に生かすACを中心に、自動車部材・部品のCFRP化に向けた検証・試行錯誤の積み重ね、設計通りの性能を発揮できる製品量産化おための技術を開発している。

2.チャレンヂ社の機能

  CFRPを使用したAC成形、プレス成形、ハンドレイアップ成形などの工法による自動車全般、鉄道車両、 航空機・宇宙機材、産業用途などの部品・用品の開発・設計・製造・販売を行っている。
主な機能は、以下である

  • CAD,CAM、NCマシニングによる各種モデル製作
  • クレー、ハードモデル製作
  • 成形型製作:各種型、各種樹脂型
  • CFRP試作及び製品:オートクレーブ成形、バキュウムバック成形、ハンドレイアップ成形、ハイサイクルプレス成形
    (Prepreg Compression Molding工法)
    (Sheet Molding Compound成形)

  特長としては、CFRPを使った製品の企画・設計解析から製造・検査・出荷までを一括受注できる体制を整えている点を挙げることができる。

3.CFRP部品の量産対応

  同社は、経済産業省の戦略的基盤技術高度化支援事業の支援を得て、MCC社が開発したハイサイクルプレス成形「PCM(Prepreg Compression Molding)工法」の実用化に取り組んだ。最初の量産品は、日産自動車「GT-R」のスイッチパネル(図2)である。

  また同社は、更なるハイサイクルCFRP成形工法を実現する上で、プレス成形と同等なハイサイクルプリフォーム技術が不可欠であり、自動化設備による、均一な品質とハイサイクル化技術を追求することが必要との認識から、プリフォーム自動化デモンストレーション機(図3)を製作して実用化した。

  更に、同社とMCC社は、大型CFRP外装部品の量産化技術の確立に共同で取り組み、大型プレス機及び加工時間短縮化のための諸自動化設備を導入することにより、2013年末に世界で初となる、後述するPCM工法による自動車社「GT-R」のトランクリッド」の生産を開始した。本自動車部品の量産工程を図4に示す。

  加えて同社は、MCC社の炭素繊維シートモールディングコンパウンド(CF-SMC;詳細は後述)を用いたハイサイクルプレス成形にも取り組み、更なる自動車部材/部品などの量産技術の確立に努めている。

4.今後の取り組み

  常に世の中の進化に負けないよう新技術、新製法に、社名の由来にもなっている”Challenge”し、世界トップクラスのクオリティーで顧客の満足する商品を提供し続ける。

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