自動車関連事業推進センター

自動車用熱可塑性エラストマーの開発動向2.TPEの特徴と開発動向

  TPEは、複数のポリマーをブレンドしたものでも、重合で製造されたものでも、基本的に、ゴムのような柔軟性を有するソフトセグメントと、高温時には可塑性を示し、冷えて固まった際にはソフトセグメントを拘束してゴム弾性発現の起点となるハードセグメントが、ミクロ相分離する構造をとっている。

  また一般的にTPEは、TPOやTPSなどハードセグメントを構成するポリマーの種類によって分類および命名されている。

  自動車部品のTPE化においては、その代替対象が加硫ゴム部品の場合は、熱可塑性という特性に因る生産性、省エネルギー、リサイクル性において、一方、対象がポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)といったいわゆる汎用熱可塑性樹脂の場合は、ゴムのような柔軟な特性において、それぞれアドバンテージがあると見られている。したがって、一般的にTPEは、ゴムと樹脂の中間を埋める材料として位置づけられている。自動車部品に使用されている代表的なTPEの特徴と課題を表1に示す。また、各種TPEの主な自動車部品への採用例を表2に示す。

  TPEの自動車部品への主な採用理由としては、下記(1)から(4)の4つに大別できる。

  1. (1)加硫ゴム代替の場合:生産性、低コスト、デザインの自由度、軽量化、リサイクル性(環境対応)
    部品例:ウエザーストリップ、各種ブーツ(等速ジョイント、ラック&ピオニン等)、グラスランチャンネル
  2. (2)軟質樹脂(軟質PVCなど)代替の場合:軽量化、柔軟性、リサイクル性、フォギングフリー
    部品例:インストルメントパネル(インパネ)やドアトリム等の内装部品表皮
  3. (3)熱硬化性樹脂の代替の場合:安全性、柔軟性、触感
      部品例:アシストグリップ、各種ノブ
  4. (4)軟質材料を必要とする新規部品の場合:柔軟性、安全性、耐寒性
    部品例:エアバッグカバー(ドライバー、パッセンジャー、カーテン、ニーエアバック等)

  以下自動車用途において今後とも高い需要が見込まれるTPO、TPSに焦点を当てて説明する。


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