「環境への優しさと美味しさを両立」
生分解性樹脂「BioPBS™」を使用したコーヒー豆などの食品向けバリア包装材を開発

2022/05/11 事業関連

三菱ケミカルホールディングスグループ(以下「当社グループ」)は、ナカバヤシ株式会社(以下「ナカバヤシ」)、王子エフテックス株式会社(以下「王子エフテックス」)、株式会社MIB(以下「MIB」)、長瀬産業株式会社(以下「長瀬産業」)および旭洋株式会社(以下「旭洋」)と共同で当社グループの生分解性樹脂「BioPBS™」を使用した、食品向けバリア包装材(以下「本包装材」)を開発しましたのでお知らせします。ナカバヤシが展開する環境配慮製品のブランド「asue」のラインアップとして2022年の夏ごろ販売開始予定です。
 
本包装材には、袋の内面のシーラント層として当社グループの植物由来の生分解性樹脂「BioPBS™」が採用されています。「BioPBS™」は環境配慮特性とともに優れた低温ヒートシール性と柔軟性を有しているため食品などの包装材に採用が広がっています。袋の外面には王子エフテックスの紙製バリア素材「SILBIO BARRIER」を採用して、生分解性のある素材を使いながら、酸素、水蒸気、香気の透過を防ぎ、コーヒー豆の美味しさを保つことを可能にしました。
 
また、焙煎後のコーヒー豆は炭酸ガスを放出するため、一般的なコーヒー豆の袋では脱気用のプラスチックバルブを備え付けて、袋内のガスコントロールを行っています。これに対して本包装材では、MIBと長瀬産業が共同開発した、包装材のシール部分に脱気機構を一体形成する「TiMELESS®」技術を用いることにより、プラスチックの使用量削減にも貢献しています。
          「BioPBS™」を使用した、食品向けバリア包装材             「TiMELESS®」技術でシール部分に形成した脱気機構

このように、本包装材は、環境に配慮した製品でありながら、バリア性やガスコントロール機構といった高い機能性も有しています。今後はコーヒー豆を中心に、青果物などの包装材として展開していきます。
 
環境配慮への要求がますます高まる中、当社グループではこれらの製品の展開を通して、循環型社会の構築やSDGsの達成に貢献してまいります。

<BioPBS™について>
「BioPBS™」は、当社グループが開発、基本特許を有し、当社グループとタイPTT Global Chemical社が折半出資するPTT MCC Biochem Company Limitedが製造する植物由来の生分解性樹脂で、自然界の微生物によって水と二酸化炭素に分解されるため、自然環境への負荷が少ない樹脂素材です。また、他の生分解性樹脂に比べ、低温ヒートシール性・耐熱性・柔軟性などで優れた性能を有しています。
◆「BioPBS™」の製品紹介はこちらから
 
<asueについて>
「asue」は「環境(地球)問題に配慮した製品を提供するナカバヤシの思いが「明日」(未来)へ繋がるように」という想いを込め、「地球(アース)」と「明日(あす)」を組み合わせて名づけられたブランドです。ストローや紙コップ、紙容器の他、木製カトラリーや紙ナプキン・おしぼりなど豊富なラインアップを用意しており、循環型社会と持続可能なライフスタイルの実現に貢献します。
◆「asue」の製品紹介はこちらから
 
<SILBIO BARRIERについて>
「SILBIO BARRIER」は、王子グループが長年培ってきた製紙技術と水系技術を駆使した、リサイクル可能な紙素材でありながら高いバリア性を備えた機能紙です。紙基材に付与したバリアコート層が、酸素、水蒸気、香気の透過を防ぎます。
◆「SILBIO BARRIER」の製品紹介はこちらから
 
<TiMELESS®について>
「TiMELESS®」は、MIBと長瀬産業が共同開発し、MIBが特許取得した、フィルムや紙の包装資材に適用可能なガスコントロール技術です。包装フィルムのシール部分に微細な流路を設け袋内部のガスコントロールをおこなうことで、青果物をはじめとする内容物の鮮度保持や、脱気が可能です。食品廃棄ロスの軽減も見込め、環境に優しく、グローバルでの展開が見込まれる技術です。なお、本技術は長瀬産業が総代理店です。
◆「TiMELESS®」の製品紹介はこちらから
 
<旭洋について>
旭洋は、紙とパッケージを中心に取り扱う商社として、食品包装、生活関連、産業資材、印刷・情報など、幅広い分野で事業を展開しています。本包装材の開発においては、原材料の供給を担っています。
◆旭洋の会社紹介はこちらから



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