14BG(1,4-ブタンジオール(BDO)、1,4-ブチレングリコール(BG)、1,4-ジヒドロキシブタン、テトラメチレングリコール(TMG))はポリエステル及びポリウレタン樹脂の原料(鎖伸長剤、ハードセグメント)として優れた特性を示します。得られるポリマーは、衣料、靴底などの一般消費材から電機・自動車などの耐久消費財及び機械用部品等の工業資材分野や医療分野に至るまで、極めて幅広い範囲に渡って使用されます。今後もその用途は、益々拡大するものと期待されています。
- PBT(ポリブチレンテレフタレート)樹脂原料
14BGをジオール(二価アルコール)原料として用いることにより、吸水性が小さく機械特性や電気特性に優れたバランスの良いポリエステル系のエンジニアリングプラスティックであるPBT樹脂が得られます。電気・電子部品や自動車部品をはじめ用途も更に広がっています。
- ポリウレタン原料
ジオール(二価アルコール)である14BGを鎖伸長剤(鎖延長剤)として使用することにより、機械強度に優れ、耐熱性・耐油性・反発弾性の高いウレタンエラストマーが得られます。
- その他各種ポリエステル原料
可塑剤や各種ポリエステル樹脂の原料に広く用いられています。
- 各種工業薬品(テトラヒドロフラン、ガンマブチロラクトン他)の原料
14BGを出発原料として、脱水または脱水素反応により各々テトラヒドロフラン及びガンマブチロラクトンが工業的に製造されます。
14BGは吸湿性があり、酸素により変質を受けやすい物質ですので、貯蔵容器は乾燥窒素で必ずシールして下さい。20℃以下では固化しますが、加温すれば液状で保存できます。ドラム中で固化した14BGを溶解する場合には、50~70℃で一昼夜程度保持して下さい。貯蔵に際しては、25~40℃に保持することをお勧めします。
14BGは消防法危険物第4類第3石油類(水溶性)、危険等級Ⅲに該当します。揮発性が低く、14BG自体が常温で引火することは有りませんが、万一燃えた場合は、粉末消火剤、泡薬剤(耐アルコール性)または大量の水噴霧が有効です。取り扱いに際しては、保護メガネや保護手袋などの一般的な保護具を着用して下さい。
詳細につきましては、弊社発行の安全データシート(SDS)をご参照下さい。