BENEBiOL(ベネビオール)

  • 主にポリウレタン樹脂などの原料として使われるポリカーボネートジオール(PCD)
  • 植物由来の素原料を使い、独自製法で開発した新しい化学構造だから、石油由来のPCDでは実現できなかった高機能性を発揮
  • サステナブルで環境に優しい特性

世界初の植物由来 ポリカーボネートジオール

ポリカーボネートジオール(PCD)は主にポリウレタン樹脂の主原料として使用される素材で、耐水性や耐久性、耐薬品性などの機能を発現します。ポリウレタン樹脂は、合成皮革・人工皮革をはじめ、塗料やコーティング剤など、私たちの身の回りのさまざまな用途で使われています。

従来のPCDは石油からつくられますが、三菱ケミカルが新たに開発したのは植物由来のPCD、「BENEBiOL(ベネビオール)」です。「世の中にない画期的な製品を開発し、お客様に付加価値を提供する」というコンセプトで試行錯誤を重ねた末、前例のなかった植物由来の原料にたどり着き、全く新しい化学構造を持つPCDが誕生しました。従来品よりも耐久性や耐薬品性などに優れる上に、弱点であった低温での柔軟性にも優れるという今までは実現できなかった機能までもが付与されました。最初はあくまでも高機能を付加するための挑戦でしたが、結果的にサステナブルで地球環境に優しいというもう1つの大きなメリットを得ました。

部門を超えた水平展開と お客様とのキャッチボールで生まれた新製品

三菱ケミカルが世界で初めて植物由来のPCD開発に成功した背景には、独自の高い技術力がベースにあります。自動車の内外装部品や光学フィルムなど幅広い用途で採用が進んでいるバイオエンジニアリングプラスチック「デュラビオ」で培った技術に、もともと持っていたポリウレタン樹脂用ポリオール の技術を組み合わせ、さらにお客様と何度もキャッチボールをすることにより、ニーズに合致した「ベネビオール」が生まれました。開発メンバーの幅広いネットワークを活かし、部門の枠を超えて優れた技術を水平展開できたことと、お客様との協業が、開発を成功させた要因です。

※ポリオール:複数のアルコール性ヒドロキシル基を持つ化合物

スエード調人工皮革に使用

ベネビオール採用例スエード調人工皮革
「ベネビオール」が採用されたスエード調人工皮革
(画像提供:東レ)

ポリウレタン樹脂が多く使われている分野の1つが人工皮革・合成皮革です。昨年には東レ㈱の環境配慮型スエード調人工皮革の原料に「ベネビオール」が採用されました。石油由来PCDを使用した人工皮革に比べ、風合いや柔軟性、耐摩耗性に優れ、さらに植物由来で地球環境に優しい素材であることが高く評価されました。スエード調人工皮革に植物由来のPCDが使われるのは初のケースで、ファッションやインテリアはもちろん、自動車や航空機の内装など幅広い分野での活用が期待されます。

「ベネビオール」を使用したポリウレタン樹脂の主な特長・用途

合成皮革/人工皮革

  • 低温での柔軟性
  • 優れた風合い
  • 耐薬品性

塗料/樹脂コーティング剤

  • 高硬度
  • 耐久性
  • 耐薬品性
持続可能性と優れた機能性を両立

「ベネビオール」は、唯一、植物由来の原料から作られたポリカーボネートジオールで、ポリウレタン系コーティング材や接着剤、ポリウレタン系熱可塑性エラストマーなど、高品質ポリウレタン樹脂の主原料として使われます。「ベネビオール」の独特な化学構造は、人工皮革などの最終製品に、環境にやさしい特性とともに、高い機能性を付与します。

豊かなバリエーション

「ベネビオール」は、ポリカーボネート樹脂で培われた重合技術の応用と独自の製法の組み合わせにより、ジオール原料の種類の制約を受けにくく、幅広い樹脂組成の製造が可能です。
これにより、お客様の製品により適した樹脂組成のポリカーボネートジオールをご提案、ご提供することができます。

「ベネビオール」製品名の由来

「お客様に恩恵(benefit)を与える、バイオ(bio)のポリオール(polyol)」として命名しました。「i」は人間、オレンジの破線は未来へ続くストリームという意味を込めています。

メディア

植物由来のポリカーボネートジオール「BENEBiOL™」がローソンの新店舗に採用(2023年12月21日)[別窓表示]


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