MCCのアクリル樹脂板「アクリライト™」の主力グレードは、MCC独自の連続キャスト製法によって生産されている。本稿では、その中の付加価値グレードである、「面発光板」、「ハードコート板」、「難燃板」を紹介する。いずれのグレードも、アクリル樹脂の特長である耐候性、表面硬度、良外観を有している。

面発光板「アクリライト™ N875・N885」

  アクリライト™ N875・N885は、光学特性、耐熱性に優れ、液晶や照明、看板等のバックライトの導光板として広く使用されている。通常、導光板は端面から入光した光を面発光させるために、表面にドット賦形を施す必要がある。ここで紹介する「N875・N885」は、板内部に拡散微粒子を精密に均一分散させることにより、ドット賦形なしで面発光することが可能である。微粒子の添加量を最適化することにより、輝度と色度の均一性に優れている。また、「N875・N885」は、消灯時の透明性が高いことも特長である。そのため、点灯・消灯時で異なる見え方ができる。自動運転やEVの進歩が著しい中で、自動車の内外装において新しい意匠や表示が必要になってくると考えている。 「N875・N885」は、新しい演出を作り出すことに好適な材料である。形状によっては3次元形状でも面発光が可能で、表面に文字等を入れることによりその部分を強調して光らせることも可能である。

ハードコート板「アクリライト™ MR200W」

  アクリライト™ MR200Wは、連続キャスト製法においてインラインによりハードコートを付与している。そのため、別工程のハードコーティングより基材とハードコートの密着性が高く、硬度,耐擦傷性も優れていることが特長である。これまで建材や液晶表示部の面板等に広く使用されており、自動車分野においてもメーターパネル等の面板に実績が出ている。

基材は、スモーク色や面発光板、熱線遮蔽板といった着色板にすることも可能であり、ハードコート板は、蒸着といった加飾のベースとしても好適である。また、ハードコート板は、UN43附則14 クラスM(テーバー摩耗試験:500g荷重 x 500サイクル)に適合する。板厚3㎜の例では、熱プレス成形により100R程度の3次元形状が可能であり、将来的には樹脂グレージングといった外装材への展開も期待できる技術と考えている。

難燃板「アクリライト™ FR」

  アクリライト™ FRは、難燃性を高めたアクリル樹脂板である。「FR1」及び耐熱性を高めた「FR2」は、水平燃焼試験において自己消火性(JIS K6911 耐燃性A法「不燃性」判定)を有し、鉄道駅の案内表示板やガソリンスタンドのキャノピー看板に採用されている。また、「FR3」は、UL94V垂直燃焼試験におけるV-0認定を取得済みである。いずれも透明性や耐候性に優れ、加熱成形が可能なため製品デザインの自由度が高いなど、アクリル樹脂板本来の特長を併せ持つ。今後は建材・住設用途における透光性内外装材料として、また産業機械や弱電部品カバー材料として、防災・安全性の向上に貢献することが期待される。自動車分野においてはEV化の推進に伴い、充電設備の拡充が見込まれる。絶縁性と難燃性を併せ持つ特長を活かし、新しい用途展開を図りたい。

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