自動車関連事業推進センター

1.はじめに

  一般に「アクリル樹脂」として親しまれているメタクリル樹脂(PMMA、以下、アクリル樹脂)は、メタクリル酸メチル(MMAモノマー)を主原料として製造された高分子材料である。プラスチック(樹脂)の中では透明性が高く、トップクラスの耐候性を有するという特長がある。機械的強度、耐熱性、成形加工性などの諸物性のバランスが良く、幅広い分野で使用されている。可視光線をほとんど吸収しない透明性を利用した液晶ディスプレイのバックライト用導光板をはじめとした光学部品、水族館の大型水槽、優れた耐候性を活かした自動車テールランプカバー、また、表面光沢が高く、鮮やかな発色性と深みのある外観から、家電製品、浴槽、人工大理石、看板、各種建材に使用されている。光の透過と拡散性を制御することで照明カバーとしても使用されている。アクリル樹脂は、その供給形態から成形材料と板材料に大別される。成形材料は射出成形や押出成形に使用され、一方、板材料には、機械加工(ノコ切断、ルータ切削、バフ研磨)、熱成形(真空成形、プレス成形、フリーブロー成形、加熱折り曲げ)、接着加工、印刷加工、蒸着やコーティングによる加飾など、いろいろな加工方法が用いられている。

  三菱ケミカル㈱(以下、MCC)では、近年の用途の多様化と要求品質の高度化に伴い、アクリル樹脂の優れた基本特性(透明性、耐候性、成形加工性)に加え、耐擦傷性、耐衝撃性、耐熱性、耐燃性、低吸水性など高度な機能を併せ持つ高機能アクリル樹脂を開発している。特に成長、変化が著しく、「100年に1度」と言われている変革期を迎えている自動車分野に注力しており、材料開発に加えて新しい使用方法の提案も行っている。2018年度は、横浜と名古屋で開催された「人とくるまのテクノロジー展」に出展し、「光」をテーマにした自動車内外装パーツ部材としての提案を行った。

  上記展示会では、アクリル樹脂成形材料の「アクリペット™」、板材料の「アクリライト™」、MCCのグループ会社である㈱菱晃による板材料にミラー加飾を施した「アクリミラー™」の3製品について、機能性製品および新しい見え方(見せ方)を提案した。

   本稿では、これら3製品の「人とくるまのテクノロジー展」の出展内容を中心に、自動車分野での新しい用途に向けた製品を紹介する。

5.まとめ

  アクリル樹脂は、透明材料としては汎用性のある樹脂であり、これまでもその特長を活かして多岐にわたる用途で製品展開が行われている。今後も、技術の進歩と共にさまざま機能性を付与した製品や加工技術の開発に伴い、新たな用途が創造されるものと期待され、MCCはそれに向けて開発を推進していきたい。

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