プリント配線基板用フィルム「New-IBUKI™」の新グレードおよび超低誘電フィルム「BeLight™」を開発
~6月29日から開催される「5G通信技術展」に出展~

2022/06/23 事業関連

三菱ケミカルホールディングスグループは、プリント配線基板用熱可塑性樹脂フィルム「New-IBUKI™」の新グレードおよび超低誘電フィルム「BeLight™」を開発しましたので、お知らせします。両製品は次世代の高周波通信に対応するフィルムであり、本年6月29日から7月1日にかけて東京ビッグサイトにおいて開催される「5G通信技術展」に出展し、初めてご紹介する予定です。
 
今後普及が見込まれる5G等の次世代通信においては、波長が短い高周波が使われるため、従来の素材に比べて電波を損失させることなく通信に支障をきたさない新素材の開発が求められています。今回開発した「New-IBUKI™」の新グレードおよび「BeLight™」は高周波領域における伝送損失*1を軽減させた製品で、次世代通信用の配線基板材料として使用されることを見込んでいます。
 
「New-IBUKI™」は、優れた寸法安定性、高周波特性、低温加工性、耐熱性、耐加水分解特性といった特長を有しており、主に配線基板用絶縁基材として使用されています。今回開発した新グレードは、特長を維持したまま、誘電正接*2を0.002台(10GHz)で抑え、特に回路基板の発熱が見込まれる高温域では、他競合材を上回る低誘電特性を示します。加えて、熱膨張率(CTE)を10ppm台に抑える等の性能は業界トップレベルです。
超低誘電フィルム「BeLight™」は誘電正接を0.0003(28GHz)に抑え、主流となっているフッ素樹脂以上の水準を達成しました。本フィルムはレーザーでの加工が容易であり、銅箔との強密着性、低吸水性を有していることから電子機器内部等に使用されるフラットケーブル向けにもサンプル出荷を予定しています。
 
当社グループは、2021年12月1日に発表した新経営方針「Forging the future」においてエレクトロニクスを最重要戦略市場に位置付け、高速通信関連材料をターゲット領域としています。今後も幅広い材料ラインアップと成形技術により、顧客ニーズの多様化・高度化に対応する開発を進めることで、当社製品のさらなる普及と事業の発展をめざします。
 
*1伝送損失:通信経路において電気や光、音などの信号が距離に応じて減衰する度合い
*2誘電正接:誘電体内での電気エネルギー損失の度合いを表す数値
 

【展示概要】
展示会名:5G通信技術展
会  期:2022年6月29日(水)~7月1日(金)各10:00~17:00
会  場:東京ビッグサイト
主な出展内容:
  ・プリント配線基板用フィルム「New-IBUKI™」
  ・超低誘電フィルム「BeLight™」
  ・透明柔軟伸縮フィルム「珪樹™」「ExSil™」「柔軟性エポキシフィルム」
  ・電磁波干渉対策シート、高周波対策シート
  ・ポリエステル系熱可塑性エラストマー「テファブロック™」

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