三菱ケミカルホールディングスのコーポレート・ベンチャー活動について
~木材やプラスチック材に代わる植物由来のカーボンネガティブ複合材技術を持つ米Lingrove社に出資~

2022/02/22 事業関連

 
株式会社三菱ケミカルホールディングス(本社:東京都千代田区、社長:ジョンマーク・ギルソン、以下「MCHC」)は、米国シリコンバレーに設立したCVC子会社であるDiamond Edge Ventures, Inc.(所在地:米国カリフォルニア州、社長:Patrick Suel、以下「DEV」)を通して、木材やプラスチック材に代わる植物由来のカーボンネガティブ複合材「Ekoa®」を製造・販売するLingrove Inc.(所在地:米国カリフォルニア州、CEO:Joe Luttwak、以下「Lingrove」)に出資したことをお知らせします。
 
「Ekoa®」は、亜麻などの天然繊維と樹脂の複合材で、CO2削減に貢献可能なカーボンネガティブな素材です。成形性や耐久性にも優れており、鉄より高い重量比強度(引張強度を比重で割った値)も実現可能です。木材のような自然で高級感のある外観でありながら、比較的低廉なコストで、木材や高圧ラミネート材、プラスチック材、金属といった既存材の代替として使用可能なサステナブル素材です。既に楽器や家具などに使われる木材などの代替材料として採用されており、さらに電気自動車の計器盤やキッチン・バス用品、防音パネルなどへの利用拡大に向けた性能評価も進んでいます。



                                             Ekoa®                                        採用イメージ(椅子)                                採用イメージ(車のダッシュボード)

MCHCは、2021年10月に2050年カーボンニュートラル実現に向けた方針を策定しましたが、今回のLingroveへの出資は、GHG排出実質ゼロの実現に向けた取り組みの一環です。
 
Lingrove CEO Joe Luttwak氏のコメント:
  「ネイチャーテクノロジーを求める声、そしてEkoa®に対する需要は、著しく拡大しています。近い将来、自動車や家具で用いられる多くの木材やプラスチック材の代替としてEkoa®が使われるようになるでしょう。私達は、気候変動への対応と、そして何より森林の保全のために、高性能で美しく、持続可能な製品をお届けしてまいります。」
 
DEV社長Patrick Suelのコメント:
「Lingroveへの出資は、大手素材メーカーがカーボンニュートラル推進に真剣に取り組んでいる象徴的な事例と言えます。私達は通常、各分野をリードするスタートアップ企業に投資することを基本としています。今回、天然素材と化学技術を活用したユニークな複合材技術によって、顧客のニーズを満たしつつ今日の持続可能性の課題を解決する先進企業であるLingroveに出資できたことをうれしく思います。」
 
MCHCは、今後もDEVを通じて、MCHCグループとスタートアップ企業との連携を進め、事業化を推進していきます。
 
[Lingroveの概要]
設 立 : 2017年
所在地 : 米国カリフォルニア州サンフランシスコ
代表者 : Joe Luttwak (CEO)
事業内容: 植物の繊維と樹脂の複合材料の製造・販売
URL  : https://lingrove.com/


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