管理体制と規程

三菱ケミカルは、事業活動に関わるすべての部門で化学品管理を徹底するために、管理体制を整備しています。
化学物質の優れた特性を有効に活用できるように、当社製品に関わるすべての化学物質の危険性、有害性、国内外の規制、リスク評価などの情報を集積し、社内共有化するとともに、各部門が適切な管理ができるような支援体制を構築しています。
また化学品の規制は国や地域ごとに異なることから、地域統括会社(リージョナルヘッドクォーター)1にも化学品管理の担当者を配置し、グローバルな管理体制を強化しています。
化学品管理に必要な事項は、「化学品管理規則」「化学品安全管理基準」「製品安全管理基準」にて規定し、具体的な規制対応、SDS作成・発行、化学品の自主管理などについては、それぞれガイドライン、マニュアルなどを作成して確実な対応をしています。

  • 1地域統括会社(リージョナルヘッドクォーター):三菱ケミカルの海外事業展開を加速する目的で世界の主要地域内の事業成長・収益向上を支援する拠点。

化学品規制への対応

1. 国内法規制に対して

化学物質の審査及び製造等の規則に関する法律(化審法)、労働安全衛生法における新規化学物質届出や、毒物及び劇物取締法における製造・輸入・販売業登録管理や記録保管義務など、多岐にわたる法令を遵守し、確実かつ漏れなく対応するため、三菱ケミカルは国内法規制対応の社内ガイドラインや規程類を制定するとともに、届出管理データベースなどによる一元管理を推進しています。2017年度は特に、化審法における物質命名や新規性判断を各部門がセルフチェックできるようなガイドラインを作成し、2018年度より社内周知および教育を強化しています。

2. 海外法規制に対して

SAICM2達成目標である2020年に向けて、世界各国で化学品に関する新たな法規制が制定・改正されています(中国、韓国、台湾、タイ、米国、トルコなど)。特に、欧州REACH3に端を発するすべての既存化学物質を対象とした登録義務化が、韓国、台湾でも導入されようとしています。三菱ケミカルはこのような各国の法規制に対応し、地域統括会社や現地グループ会社などと連携し、現地にて法規制最新動向の情報収集を行い、より正確で確実な法令対応を取る体制を整備しています。2017年度は、欧州REACHでの年間100トン未満の製造輸入化学品の登録、および米国TSCA4でのインベントリーリセット対応を計画的に行い完了しました。2018年度は、今後運用が本格化される見込みの韓国版REACH(K-REACH5)での登録、および台湾TCSCA6での登録の準備に注力しています。

  • 2SAICM(Strategic Approach to International Chemicals Management):2002年の国連環境計画管理理事会において決議された国際的な化学物質管理のための戦略的アプローチ。
  • 3REACH(Registration, Evaluation, Authorization and Restriction of Chemicals):欧州連合における化学物質の登録・評価・認可および制限に関する規制。
  • 4TSCA(Toxic Substance Control Act):有害物質規制法
  • 5K-REACH(韓国版REACH):化学物質の登録および評価等に関する法律
  • 6TCSCA(Toxic Chemical Substance Control Act):毒性化学物質管理法

化学品管理の自主的取り組み

1. 国内外のイニシアティブへの参画

三菱ケミカルは、ICCA7が推進する「グローバルプロダクト戦略(GPS8)」活動への貢献を継続的に進めています。ICCAではCP&H LG9のメンバーとして、発展途上国に対してSAICMの目標達成に向けた能力開発関連の教育プログラムやワークショップの企画・運営にも積極的に参画しています。一般社団法人 日本化学工業協会では、JIPS10活動推進メンバーとして積極的に参画しています。

2. 三菱ケミカルとしての自主的取り組み

第12回「日化協レスポンシブル・ケア優秀賞」授賞式

三菱ケミカルグループは、GPS活動として化学製品のリスク評価を進めており、その結果は、GPS安全性要約書11としてまとめ、当社のウェブサイト「公開GSS(GPS安全性要約書)一覧」やICCAのウェブサイトで公開しています。
また、化学品の悪用・盗難の防止強化を目的として、毒物劇物に加え三菱ケミカル独自の管理対象物質を「三菱ケミカル特別管理化学物質」として定め、事業所、研究所、物流およびお客様などへの譲渡時における管理方法を自主的安全管理ガイドラインで規定し、管理強化を進めています。
2015年から展開を始めたこの自主活動は、特にサプライチェーン管理に重点を置いた活動であることが評価され、2018年5月に日本化学工業協会の第12回「日化協レスポンシブル・ケア優秀賞」を受賞しました。

  • 7ICCA(International Council of Chemical Associations):国際化学工業協会協議会
  • 8GPS(Global Product Strategy):グローバルプロダクト戦略。サプライチェーンを通して化学品のリスクを最小限にするために、各企業が自社化学製品のリスク評価を実施しながらその適正管理を行う自主的取り組み。
  • 9CP&H LG(Chemical Policy and Health Leadership Group):化学品政策と健康リーダーシップグループ
  • 10JIPS(Japan Initiative of Product Stewardship):日本化学工業協会が推進する企業におけるリスクに基づく化学品管理を強化する自主的な取り組み。
  • 11GPS安全性要約書(GPS Safety Summary):GSSとも略される。SDSでは伝えきれない化学品の取り扱い方法などをわかりやすく説明した文書。リスクマネジメントに基づいた化学品管理に活用される。

信頼性のある化学品情報共有の取り組み:SDS管理

お客様やサプライチェーンへの適切な情報提供、ならびに社内における確実な化学品管理を目的として、化学品総合管理システム(K-Mates12)を運用しています。
K-Matesは、取り扱い化学品や製品の組成情報、危険有害性情報、国内外の化学品規制情報などのデータベースや、化学品のGHS13自動分類機能、適用法規制自動判定機能を有しており、日本、欧米、東アジア、ASEAN諸国の法令や各種標準にも対応したSDS14やラベルを出力できるシステムです。GHS自動分類を行う根拠となるデータは、当社のグループ会社である三菱ケミカルリサーチの専門家によって精査された、より信頼性の高いものを採用しています。また法令改正が予定されている場合には、新たに適用対象となる取り扱い化学品や製品を検索抽出する機能を活用し、プロアクティブな管理を行っています。

  • 12K-Mates(KAITEKI-integrated System of Risk Management & Technical Information Supports on Chemicals)
  • 13GHS(Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals):化学品の分類と表示に関する世界調和システム:世界的な統一ルールのもと、化学品を危険有害性の種類・程度に応じて分類し、その情報をラベル表示やSDSの提供によって情報伝達するシステム。
  • 14SDS(Safety Data Sheet):安全データシート:他の事業者へ化学品を譲渡・提供する際に、その化学品の性質、危険有害性、安全上の措置および緊急時の対応などの情報を提供するための文書。

化学品管理の社内教育

三菱ケミカルは、化学品管理に関する基礎教育だけでなく、ますます強化される国内外の規制動向を周知し、対応方法を指導するため、グループ会社従業員も対象とした「化学品管理セミナー」をほぼ毎月本社にて開催し、2017年度は延べ708名が受講しました。また各事業所や研究所でも関係する法令教育のほか、GHSの分類・表示の方法、SDSの読み方や作成方法などの実務教育も21回実施しています。

化学品管理の社内教育
化学品管理の社内教育