炭素繊維/炭素繊維複合材料とは

About carbon fiber

炭素繊維・複合材料の成形方法(加工方法)

炭素繊維は一般的に母材(樹脂など)と組み合わせた複合材料の形態で使用されます。
最終製品の形態や特性によって、様沢な成形方法(加工方法)があります。
また成形方法は、物性や外観の向上、成形時間の短縮などを目指し、日々進歩を重ねています。
ここでは、代表的な炭素繊維の成形方法をご紹介します。

引抜成形

プルトリュージョン成形とも言われます。液状の樹脂を含浸した炭素繊維を金型に引き込んで通し、加熱硬化させる連続成形法です。ロッド状、パイプ状などの一定の断面形状を持つ成型品に適します。

引抜成形

フィラメントワインディング成形

液状の樹脂を含浸した炭素繊維トウををマンドレルに巻き付けた後、加熱硬化させる成形法です。樹脂槽(バス)に炭素繊維を浸しながら巻き付ける方法と、あらかじめトウを樹脂に含浸させたトウプリプレグを巻き付ける方法があります。チューブやタンク形状の成型品に適します。

フィラメントワインディング成形

RTM(レジントランスファーモールディング)成形

オス・メス一対の密閉型に炭素繊維のプリフォーム(炭素繊維を製品形状に予備成形したもの、織物など)を配置し、液状の樹脂を圧入、含浸し、加熱硬化する方法です。メス型のみを使用して真空圧で硬化させる方法はVaRTM成形(バキュームアシステッドRTM)と言われます。RTMは小・中形、VaRTMは中・大形の成型品に適します。

RTM(レジントランスファーモールディング)成形

プレス成形

プリプレグやSMCなど樹脂を含浸させたシートを、金型に積層し圧力をかけながら加熱硬化する方法です。三菱ケミカルでは、ハイサイクル及びプリフォーム技術によるPCM(プリプレグコンプレッションモールディング)成形法を確立、SMC材料とのハイブリッド成形も可能です。大量生産品に適した成形方法です。

プレス成形

オートクレーブ(AC)成形

オートクレーブとは簡単に言うと圧力釜のことです。成形型にプリプレグを積層し、バギングフィルム(真空状態を作るためのフィルム)を被せて減圧し、オートクレーブ内で圧力をかけて加熱硬化します。高品質、高性能な製品を製造するに適した成形方法ですが、成形サイクルが長いためコストが高くなります。

オートクレーブ(AC)成形

オーブン成形

オートクレーブ成形と同じく、成型型にプリプレグを積層しバギングフィルムを被せて減圧しますが、真空圧で加熱硬化します。性能・品質面ではややオートクレーブ成形に劣りますが、運転費用は安価で、比較的大形の成型品にも対応可能な成形法です。

オーブン成形

シートラップ成形

マンドレル(鉄芯)にプリプレグを巻き付けテーピングした後、加熱硬化して脱芯する成形方法です。パイプやロール形状の小・中形製品の製造に適しています。三菱ケミカルのゴルフシャフトやロールは主にシートラップ成形で生産しています。

シートラップ成形

射出成形

インジェクション成形とも言われ、ナイロンやポリカーボネートなどの熱可塑樹脂を炭素繊維で補強した原材料(ベレット)を加熱溶融し金型のキャビティ(隙間)へ射出する成形方法です。機械物性は低くなりますが、短サイクルで複雑形状の成形に適した成形方法です。

射出成形

Contact
お問い合わせ

プロダクトの詳細仕様、価格、活用に関する
ご相談はこちらから。