細胞培養関連製品・サービスを提供するスタートアップ マイオリッジ社に出資

 
　当社グループでは、再生医療等製品、創薬、バイオ医薬品、培養食品等の細胞培養領域において細胞培養周辺材料の抱える課題解決に取り組んでおります。特に、ウシ胎児から採取した血清を使用する従来の手法では、供給不安定化や病原体混入のリスクに加えて、コストや動物倫理上の課題等を抱えており、これらの課題を解決するために、当社グループでは植物を活用した細胞増殖因子の生産についての研究等に取り組んでまいりました。
 
　今回出資するマイオリッジ社は京都大学の研究成果を基に設立されたスタートアップ企業で、新規低分子化合物を用いることで高価なタンパク質を必要とせずに、浮遊培養にて多能性細胞を心筋細胞へ分化誘導できる基盤技術を保有しています。本技術を活用したiPS細胞由来心筋細胞の販売の他、自社で保有する各種タンパクや低分子化合物等の培地成分データベース、および独自の培地スクリーニング技術を活用した培地開発サービス、製造プロセス開発等、再生医療等製品・バイオ医薬品・培養食品を開発する企業向けに多様な事業を展開しています。
 
　ウシ胎児血清の課題を解決することの重要性をともに認識するマイオリッジ社とのこのたびの連携により、当社グループの細胞培養周辺材料に関連する課題解決力をいっそう強化し、臨床現場や顧客企業が求める安定した機能と高い品質の実現を目指し、植物を利用した細胞増殖因子とそれを含む培地開発を進めてまいります。
 
　当社グループは2021年12月に新経営方針「Forging the future 未来を拓く」を策定し、ヘルスケア＆ライフサイエンスを最重要戦略市場の一つとして位置付けており、再生医療等の「医療進化」に貢献する研究を進めております。従来の市場になかったユニークな製品を提供することで、現時点では治療困難な疾患においても再生医療を安全かつより幅広い患者さんに適用できるオプションにしていき、誰もが健康で生き生きと暮らせる社会の実現に貢献してまいります。

マイオリッジ社　代表取締役社長　牧田 直大氏のコメント：
「当社のミッションは、細胞培養の課題解決を通したより豊かな社会の創造です。細胞培養に欠かせない化学技術を保有している三菱ケミカルホールディングスグループとの協業を通じて、いっそう細胞を使ったあらゆる産業の発展に寄与してまいります。」
 
株式会社三菱ケミカルホールディングス　ベンチャー部長　浦木 史子のコメント：
「細胞培養における深い知識と、顧客のニーズに寄り添った培養関連製品の開発技術力を有するマイオリッジ社とこのたび出資を通して協業関係を深められることを大変うれしく思います。これからの再生医療、創薬開発、そして食にわたる広い領域において、細胞培養は不可欠な要素となってまいります。マイオリッジ社との協業を通して新しい価値を生み出し、この分野のさらなる技術進展と事業開発に努め、持続的な未来に貢献してまいります。」
 
[株式会社マイオリッジの概要]

設　立　：　2016年8月
所在地　：　京都市左京区吉田下阿達町46-29医薬系総合研究棟305号室
代表者　：　代表取締役社長　牧田　直大
事業内容：　細胞製品・培地の販売、培地開発支援サービス、その他基材・操作法・装置等の全工程俯瞰型の開発支援サービス
URL　　：　https://myoridge.co.jp/