MMA
2023年 9月発行 KAITEKIレポート2023より
世界No.1の地位を確固たるものに
MMAは自動車、建材、ディスプレイ、透明シート、コーティングなどあらゆる用途で使用され、各国GDP並みに需要の拡大が見込まれる素材です。三菱ケミカルグループは新エチレン法(アルファ法)という最もコスト競争力の高い技術を含む主要3製法を保持し、世界最大の生産能力を有する当社のポテンシャルを活かし、世界No.1の地位を確固たるものにします。同時にPMMAリサイクル技術の開発や植物由来MMAモノマーの開発にも取り組み、サーキュラーエコノミーの実現に貢献します。
重点戦略
- 生産性の向上、原材料へのアクセスの改善、最適な新拠点構築によるNo.1技術の活用
- 米国における需要安定性の享受
- 既存PMMAリサイクル技術や植物由来MMAによるサステナビリティ強化
- ※米国プラントの大型投資影響を含む。当該投資を除いたROICは9%。
SWOT分析
強み
- 主要3製法を保有(うち、新エチレン法(アルファ法)は世界唯一保有)
- 世界シェア約30%のNo.1マーケットポジション
弱み
- 海外市況による収益変動
- 原料動向による収益変動
機会
- グローバルでの需要拡大に対応可能な事業ネットワーク
脅威
- 他素材との競合
- 競争力の高い新製法の台頭
「サステイナブルMMA」ポートフォリオの拡大
当社グループは(1)使用済みのアクリル樹脂を回収、分解して再利用するケミカルリサイクル、(2)既存のMMAモノマー製造プロセスに植物由来原料を適用する新規製造技術、(3)植物由来原料から発酵法により直接MMAモノマーを製造する新規製造技術、により製造するMMAモノマーを「サステイナブルMMA」と定義し、製造技術の開発に取り組んでいます。
(1)については、2021年6月に日本国内で実証設備を建設し、事業化に向けた試験を進めています。(2)の技術開発についても進展があり、新たにパイロットプラントの設計を開始しました。2023年度に稼働させ、品質および技術の実証を経て、2026年には既存の商業規模プラントへの適用をめざします。サプライチェーン全体で環境負荷を低減することを通じて、サーキュラーエコノミー実現を積極的にリードしていきます。
- ※上記文章の(2)を指します