三菱ケミカルホールディングス社長 小林 喜光 2014年年頭挨拶(要旨)

2014年01月06日 その他

株式会社三菱ケミカルホールディングス

【2013年、世界で一番「変わる」ことができたのはこの日本】

アベノミクスの最初の2本の矢である「大胆な金融緩和」と「機動的な財政政策」を受け、日本経済の回転の向きは明らかに変わった。2013年、世界で一番「変わる」ことができたのがこの日本。間違いなく私たちは、1年前と違う場所に立って、違う方向を見ている。

【2014年の展望】

2014年は、日本がデフレから脱却し、本当の意味での新たな成長の軌道に乗ることができるのか問われる年。その点、2020年のオリンピック・パラリンピック開催地が東京に決まったことは本当に喜ばしい。皆が一丸となって取り組むことのできる目標ができると、自然とモチベーションが上がる。日本はたいへん良い位置取りができた。まずは2020年のオリンピック・パラリンピックの成功を目指したい。
昨年「THE KAITEKI COMPANY」というコーポレートブランドを正式採用した三菱ケミカルホールディングスグループも、私たちが「意図する変革」をしっかり現実のものとしていかなくてはならない。特に、ICTを基礎として、共通部門のグローバル化対応と働く女性の活躍できる仕組みづくりを、より推進していく必要がある。

【各社の状況について】

三菱ケミカルホールディングスは、今年4月を目途に、ヘルスケア領域での事業統括を行うグループ5番目の主要事業会社を設立する。創薬・製薬以外での、健康や医療についての機動的な事業発展に期待する。また、資本業務提携契約を締結した大陽日酸社とのシナジー効果拡大や、研究開発における基礎共通部門の統合と横串の刺し方についても、積極果敢に挑戦していく。

三菱化学は、世界的な景気停滞と中国での極端な供給過剰により、厳しい状況から抜け切れないまま。もはや売先を変えたり、生産拠点を移したりするようなシンプルな「変革」では足らず、事業そのものを根底から本質的に変える「改革」が必要だ。一方、リチウムイオン電池材料、ガリウムナイトライド-LED、有機EL照明、サステイナブルリソース、有機太陽電池などの促進事業は、進捗が遅いと言わざるを得ない。「勝つ意志」を持って、目に見える進展を成し遂げることを期待する。

田辺三菱製薬は、薬価改定とジェネリック品の拡大により非常に厳しい局面を迎える年となる。事業環境がますます厳しくなっていくことが見込まれる以上、創薬戦略やマーケティングの見直し、国際化の加速など、ビジネスモデルそのものの転換に積極的に取り組んでほしい。

三菱樹脂は、赤字事業の徹底的な見直しやコスト削減・在庫適正化などの成果が表れてきている。クオドラントの完全子会社化や、中国でのポリエステルフィルム・農業用フィルム新設など、海外展開でも比較的大きな取組みができており、今年も一層の奮起を期待する。

三菱レイヨンは中核事業のMMAの低迷に苦しんでいるが、世界のトップ企業であり、世界最強の製造プロセスも持っている。各地のプロジェクトを積極的に推進し、盤石なグローバルオペレーション体制を早期に構築してほしい。また、炭素繊維・アクア事業を第二・第三の収益の柱として早期に立ち上げ、確実に収益を出せる企業体質を実現してほしい。

地球快適化インスティテュートは、30年、50年先を見つめるインスティテュートだが、アグリ・ヘルスケアなどの分野で具体的な成果が出始めている。今年は科学技術のみならず、社会科学的要素も取り入れることを検討してほしい。

【「勝つ意志」を持って殻を破り、スピードと迫力の伴った実行を】

中期経営計画「APTSIS 15」の見直したばかりの目標を変えるわけにはいかないが、達成は容易ではない。よって、やり遂げるための強い「勝つ意志」が必要となってくる。また、グループシナジーも実体化し、実際に成果を挙げること、つまり「協奏」の本当の始まりも必要だ。マネジメント・オブ・サステナビリティ、MOSについても、昨年、日本政策投資銀行の環境格付評価で最高ランクを取得し、特別表彰を受けたように、具体的な成果を生み始めなくてはならない。
今年の干支「甲午」(きのえ・うま)は、「殻を破って本当に何かがこの世に生まれ出で、元気に動き出す。飛躍していく」意と読み解くべきだ。私たちの事業構造改革や「協奏」も、単に可能性を探って検討する段階を超え、駿馬が駆けるスピードと迫力を伴って、現実化・実行していかなくてはならない。

【安全とコンプライアンスの徹底を】

安全とコンプライアンスの徹底なくして、会社も仕事も何もあり得ない。私たちのすべての企業活動は、安全とコンプライアンスの徹底から始まる。昨年、残念ながら私たちは安全とコンプライアンスについて、決して完璧だったとは言えない。今年こそ、完璧に近づくようますます努力をしていただきたい。

以上

[本件に関するお問い合わせ先]
株式会社三菱ケミカルホールディングス 広報・IR室
TEL 03-6748-7140

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