三菱ケミカルグループ株式会社

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バイオプラスチック~資源循環に貢献~

バイオプラスチック
~資源循環に貢献~

Feb. 1, 2023 / TEXT BY YUYA OYAMADA / ILLUSTRAIONS BY SHINJI HAMANA
※ Mar. 31, 2021 の記事を更新しました。

  • 資源循環型社会の実現に貢献するソリューションとして期待が高まるバイオプラスチック。一般的に、バイオプラスチックは2つの意味をもっており、植物など再生可能な原料を用いて作られるバイオマスプラスチックと、土壌中などの微生物によって分解される生分解性プラスチックがあります。なお、バイオマスプラスチックには、生分解するものとしないものがあり、また、生分解性プラスチックは必ずしも植物由来とは限りません。
バイオプラスチックイメージ写真

プラスチックはその利便性からさまざまな用途で使用され、私たちの暮らしに欠かせないものとなっています。世界のプラスチック生産量は過去50年で20倍以上に急増している一方で、化石資源の枯渇や、地球温暖化、プラスチック廃棄物問題など、地球規模での課題解決が急務となっています。
MCGグループでは、資源循環型社会の構築をめざし、植物由来の生分解性プラスチックと、バイオエンジニアリングプラスチックを中心にバイオプラスチックの普及・拡大に取り組んでいます。

MCGグループのバイオプラスチックのポイント

1. 石油由来の生分解性プラスチックから植物由来の「BioPBS™」へ
2. 耐久性・光学特性に優れたバイオエンジニアリングプラスチック「DURABIO™」

バイオプラスチックの分類

石油由来の生分解性プラスチックから植物由来の「BioPBS™」へ

生分解性プラスチックは、自然界に存在する微生物の働きにより、二酸化炭素と水に分解されることから、環境への負荷が低く、プラスチック廃棄物問題の解決につながると期待されています。生分解性プラスチックの主原料であるコハク酸と1,4-ブタンジオールは、石油から製造することが一般的ですが、三菱ケミカルグループ(MCGグループ)の三菱ケミカルは、世界で初めて原料のコハク酸を石油由来から植物由来に転換したBioPBS™を開発しました。常温でも高い生分解性を発揮することに加え、耐熱性、柔軟性、低温接着性といった優れた機能を活かして、紙コップのラミネート材や、コーヒーカプセル、カトラリー、ストローといった食品関連分野の製品、レジ袋、ショッピングバッグなどの生活消費材、農業用マルチフィルムなどに用途が広がっています。

植物由来の生分解性プラスチックから「BioPBS™」の循環

耐久性・光学特性に優れたバイオエンジニアリングプラスチック「DURABIO™」

三菱ケミカルのDURABIO™は、再生可能な植物由来原料であるイソソルバイドを使用したバイオエンジニアリングプラスチックです。ポリカーボネートとアクリル樹脂の特徴をあわせ持つ製品で、透明性、耐候(光)性、耐傷性、耐衝撃性に優れたプラスチックです。透明樹脂であるため発色性がよく、傷がつきにくい特徴もあるため塗装の工程が不要となり、VOC低減にも貢献。自動車部品で多くの採用実績があります。さらに、優れた光学特性を活かし、ディスプレイやLED部材など新たな用途開発も進めています。

デザインパーツやディスプレイなどモビリティ空間の快適に貢献する「DURABIO™」

バイオプラスチックの普及には、植物由来や生分解性など、資源循環に貢献する環境特性に加え、お客様や社会に対して導入メリットをしっかり示していくことが必要です。例えば、DURABIO™の場合は、「塗装いらず」という機能的メリットで、製造工程の合理化に貢献。また、農業用マルチフィルムとして使われているBioPBS™は、作物収穫後に畑にすき込むだけでフィルムが自然と分解されるので回収作業が不要となり、農作業の省力化と廃棄物削減に大きく貢献します。BioPBS™を活用した農業用マルチフィルム事業は、環境省が行う「令和元年度 脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業(委託)」に採択されています。

このように、MCGグループは、環境に優しく高付加価値な製品の提供、そして、製品の特長や効果を最大限に活用した用途開発によってバイオプラスチック事業を拡大し、資源循環型社会の実現に貢献していきます。

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MCGグループのバイオプラスチックのポイント