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要 旨


細菌が感染症を起こすための第一歩は宿主への付着である。また、自然界のほぼすべての細菌は何らかの固体表面に付着して生息している。それら固体表面に付着している細菌は感染源となりヒトの感染症を引き起こす可能性がある。従って、細菌が付着しにくい(撥菌性)素材の開発は感染症予防に役立つものと思われる。我々はイソソルバイドポリカーボネート(ISB-PC)の一部が撥菌性を示すことを見出したので、その撥菌性に及ぼすイソソルバイド(ISB)濃度の影響について検討した。イソソルバイドポリカーボネート濃度を考慮した表面積あたりの付着細菌数の評価結果より、イソソルバイドポリカーボネートモル分率が30、50、60、70、85と上昇するにつれてStaphylococcus aureus 209PとEscherichia coli K12の付着菌数が有意(p<0.01)に減少した。イソソルバイドポリカーボネートモル分率がS. aureus 209PとE. coli K12のバイオフィルム形成の第一段階に大きく影響すると考えられる。

また、水滴接触角の評価結果より、イソソルバイドのモル分率が上昇すると水滴接触角が低下し、表面がより親水性になることが認められた。このことから表面の親水性が撥菌性に関与していることが考察される。


弘田克彦*1・佐々木一雄*2・慶徳簡夫*3・三宅洋一郎*1
  1. (*1)徳島大学大学院医歯薬学研究部口腔微生物学分野(〒770-8504 徳島市蔵本町3-18-15)
  2. (*2)三菱化学株式会社 機能性樹脂事業部 テクニカルセンター バイオプラスチック開発室 〒510-8530 三重県四日市市東邦町1
  3. (*3)三菱化学株式会社 四日市事業所 開発研究所 機能商品開発室 〒510-8530 三重県四日市市東邦町1

弘田克彦*1 “†現所属機関・所在地:高知学園短期大学医療衛生学科歯科衛生専攻(〒780-0955 高知市旭天神町292-26)”
三宅洋一郎*1 “†現所属機関・所在地:徳島文理大学保健福祉学部口腔保健学科(〒770-8514 徳島市山城町西浜傍示180)”

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出典

高分子論文集 74 巻 (2017) 6号 p. 631-634
出版元; 公益社団法人 高分子学会