自動車関連事業推進センター

1.はじめに

  近年、自動車内装部品において、意匠性の向上、耐衝撃性の向上(乗員保護の観点にて)を目的として、様々なポリカーボネート(PC)系樹脂材料が適用されている。例えば、インストルメントパネルやセンタクラスタには、従来はアクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)樹脂に塗装するという形態で使用されていたが、乗員が衝突した際に鋭利な破片が出るという問題があった。これをPC/ABS樹脂に変更することにより、流動性を担保しながら、耐衝撃性が向上でき、塗装下においても、衝突時に鋭利な破片がでなくなり、乗員保護の点で大きく改善された。

  しかしながら、PC樹脂は耐衝撃性に優れる材料である反面、耐傷つき性が劣ったり、適用部位によっては樹脂由来の艶感が問題となったりすることがあった。そこで三菱エンジニアリングプラスチックス(株)(三菱ガス化学(株)と三菱ケミカル(株)との合弁会社。以下、MEPと省略する)では、「ユーピロン®」各種グレードに加えて、これらの問題を解決した機能性ポリカーボネート樹脂の各種グレードを新たに開発している。以下、これら新グレードについて紹介する。

4.おわりに

  今回、内装部品用途を中心に艶消し、意匠性向上、材料着色塗装レス、表面硬度向上によるハードコートレスといった課題を解決できる各種機能性ポリカーボネート樹脂材料を紹介した。特に「ユーピロン®」PC/ABS樹脂艶消しグレードは低光沢に、「ユーピロン®」Kシリーズは表面硬度に特徴のある材料である。MEPは、その他にも樹脂部品同士が擦れあうことにより発生してしまう軋み音に対する対策材や、意匠性に重きをおいた、高意匠グレード(メタリック色、蓄光性、蛍光性、偏光性など)などの各種機能性ポリカーボネート樹脂も保有している。これら、各種グレードの自動車内装部品における想定用途を表7および図14に示す。この表はあくまでも例示であり、これに限定されるものではない。それぞれ要求性能に応じ、より好ましい材料が選択される。

  今回、自動車内装部品に特化して紹介したが、外装部品においても様々なポリカーボネート樹脂材料をラインアップしている。例えばヘッドランプ、リアランプ周りでは、デイライトや意匠性の向上を目的として取り付けられる、ライトガイドに好適な材料がある。また、アウターレンズ等の薄肉大型成形品に適用可能な高温成形材料をラインアップしている。更に、ピラーやガーニッシュ等に適用可能な外装用材料も開発している。

  三菱エンジニアリングプラスチックス(株)は、総合的にエンジニアリングプラスチックを取り扱っており、樹脂化による工程削減や高付加価値化に対して、各種材料提案、開発のみならず、成形方法、成形条件の提案も行っている。このようにして、自動車部品の高付加価値化という課題に対して、日々開発、提案を行っている。


    <おこわり>

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