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強度と加工性を向上させたピッチ系炭素繊維の新グレードを発売

2013年01月16日


 三菱樹脂株式会社(本社:東京都千代田区 社長:姥貝 卓美)は、当社のピッチ系炭素繊維「ダイアリード®」の次期主力グレードとして、本来の特徴である優れた引張弾性率(剛性)に加えて、強度を3,200MPa(メガパスカル)と当社従来品比で約20%向上させ、かつ二次加工性(ハンドリング性)も大きく改善させた新グレード「ダイアリード®  K13312」を開発し、1月中旬よりその本格販売を開始します。

 炭素繊維には、ポリアクリロニトリル(PAN)系とピッチ系の2種類がありますが、ピッチ系炭素繊維は、優れた引張弾性率(剛性)や熱伝導性、熱膨張率がほぼゼロのCFRP(炭素繊維複合材)を生産できるなどの特徴を有し、産業用カーボンロールや各種製造装置部材、自動車部材、コンクリート構造物の補強用炭素繊維シートなど国内外を問わず広範な用途で採用されています。一方で、剛性が優れるがゆえに2次加工時のハンドリングが難しいことが市場拡大においての課題でもあります。

 今般発売する新製品「ダイアリード® K13312」は、社会インフラの老朽化に対応するべく今後の需要拡大が期待されるコンクリート構造物の補強用炭素繊維シート向けに開発されたグレードです。ピッチ系炭素繊維の過去25年間の技術の蓄積を活かして、原料液晶ピッチ制御を始めとした全製造プロセスの最適化を図ることにより、優れた引張弾性率(420ギガパスカル)はそのままに、当社従来品比で約20%強度を向上させ、補強用炭素繊維シートに求められる引張強度3,200MPaを実現しました。大規模な補強工事が進む首都高速道路にも既に採用が決定しており、老朽化した橋や建物の補強用としてさらに市場が拡大するものと期待されます。また、強度の向上に加えて、お客様での二次加工性(ハンドリング性)も大きく改善しています。さらに、繊維に結び目を作り、引っ張った場合の破断強度(ノット強度)も2kgから11Kgへと約5倍に向上させているため、お客様での加工時にも糸切れすることなく加工速度を上げることが可能です。このようなハンドリング性の向上により、補強用炭素繊維シートだけではなく、エネルギー分野やスポーツ分野での採用も期待されます。

 補強用炭素繊維シートとしての一部ユーザーへの先行販売に加え、秋から実施しているお客様でのサンプル評価においても高い評価を受けていることから、当社は、今般、その本格販売を開始することとしました。強度とハンドリング性を向上させた本製品を、ピッチ系炭素繊維「ダイアリード®」における主力製品と位置づけ、補強用炭素繊維シートを製造販売するグループ会社の三菱樹脂インフラテック社とも連携し、本製品の拡販を進めてまいります。

 

【新グレード「ダイアリード® K13312」の基本物性データ】
 引張弾性率: 420GPa(ギガパスカル)
 引張強度 :3,200MPa(メガパスカル)
 フィラメント数:12K(1万2千本)


【写真:炭素繊維シートによる橋梁床版補強例】

 

【参考写真:ピッチ系炭素繊維「ダイアリード®」】

 

 

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