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【戦略を愚直に実行し、苦境を脱する】
欧州債務危機や円高による海外製品の流入など、2012年度は日本経済にとって厳しい年だったが、年明けには「アベノミクス」の効果もあり、円安、株価上昇に伴って景況感も改善し、当社グループの状況も最悪期を脱しつつある。一方で、米国は「財政の崖」問題が尾を引いており、欧州ではキプロスをはじめとする各国の債務危機が継続し、中国、インドも従来ほどの高成長が見込めないなど、実体経済が回復しているかは未だ疑わしい。
こうした中、当社が属している三菱ケミカルホールディングスも中期経営計画の見直しを行い、売上高、営業利益などの下方修正を行った。当社も同様に見直しを行ったが、修正後の目標は今後起こり得る好・不調両面の経営環境の変化を織り込んだものであり、目標実現のための戦略を愚直に実行すれば、必ずや苦境を脱して成長を果たすことができると確信している。
【プロを目指し、安全・コンプライアンスを確保・堅持せよ】
新入社員の皆さんには、それぞれの持ち場で一流のプロになってもらいたい。メーカーはさまざまな部署と人が関わっており、どの機能が欠けても会社は強くはなれない。どの部署に配属されてもどの仕事に全力で取り組んで、一流のプロとなってほしい。
加えて、「安全の確保」と「コンプライアンスの堅持」をお願いしたい。前者は自分の命を守ること、後者は自分の名誉・誇りを守ること、すなわちいずれも自分の家族の幸せを守ることと考えれば、自らの課題として捉えることができる。一人ひとりが取り組み続けることが重要だ。
【真のグローバル化・多様化を目指して】
今から26年程前、私はナイロン樹脂の製造・販売会社を設立するために台湾に赴任した。時代はちょうどバブルの絶頂期で、日本の常識は世界の常識、日本の経営手法は世界の標準だと持て囃されていたが、実際仕事を始めると日本の常識が全く通じない。つまり、台湾には台湾の常識があるということを強く思い知らされた。海外でビジネスを成功させるには、その国の文化・歴史を学び、民族への理解を高め、価値観を共有させることが必要で、それこそが真のグローバルセンスを身につけることなのだと気付かされた。当社に限らず日本企業の宿命として、低成長時代に入った日本を飛び出し、世界に戦いを挑んで行かざるを得ない時代がきている。皆さんにも若いうちから世界を相手に積極果敢に戦いを挑んでいただきたい。
【新入社員へのメッセージ 〜人間万事 塞翁が馬〜】
「人間万事 塞翁が馬」。
この故事が教えているのは、「人生には幸せの状態と不幸な状態が交互に巡ってくるので、幸不幸は予測がつけられず、定まりがたい。」という思想に他ならないが、しかし、このさりげない故事の意味するところは、もっと深い解釈があると思う。それは「目の前で起きたことには、どんなに困難でつらくても目を背けず、考え抜いて諦めずに為すべきことを全力で進めれば、必ず道は開け局面を変えることができる。また一方で、物事が順調な時こそ、最悪の事態を想定してそれに備えなければならない。」ということだ。これからの会社生活や人生の中でいろいろな困難に直面することと思うが、是非この「人間万事 塞翁が馬」を教訓として、タフネスとバイタリティーを持って乗り切ってほしい。
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