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ニュースリリース 2001
平成13年3月5日
富士通とのバイオ分野における提携について
〜豊かで健康なライフサイエンス社会を夢見て〜
三菱化学株式会社
富士通株式会社
 三菱化学株式会社(社長:正野寛治、本社:東京都千代田区)と富士通株式会社(社長:秋草直之、本社:東京都千代田区)は、21世紀のキーテクノロジーであるバイオとインフォーメーションテクノロジー(IT)を融合し、現事業の強化と新ビジネス創出を目的として協業することで合意いたしました。

 情報技術の急激な進展によって、「国際ヒトゲノム計画(*1)」が、当初の計画よりも約5年早まったことに象徴されるように、「バイオとITの融合」がすでに始まっており、バイオ分野のビジネスが加速、拡大しつつあります。

 三菱化学は、国内総合化学最大手として、バイオ、生命科学(ライフサイエンス)、ケミカル、マテリアル分野に豊富な実績を持っています。特に、三菱化学グループの株式会社三菱化学生命科学研究所(社長:三浦 昭、本社:東京都町田市)(以下「生命研」)は、バイオ基礎研究の分野で国内トップクラスの歴史と実績を残しています。

 富士通は、世界でもトップクラスのITソリューションプロバイダーであり、従来からハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)、バイオインフォマティクス(*2)などの先端的技術の研究開発に取り組んでおります。

 世界のバイオ研究は、テーラーメード医療(*3)の実現に向け、遺伝子・蛋白質と病気との関係や、個人の特性と病気との関係などの生命現象の解明に焦点が当っています。

 三菱化学と富士通の両社も、ITを活用したバイオ分野の研究開発で協調することで、新事業を創出するとともに、新しく開発した技術を活用することによって、両社それぞれの得意領域のビジネスを強化できるものと考えます。

 両社は、今回の発表を期に、協業についての検討チームを発足させ、具体的な共同研究テーマや新事業展開の方針について数ヶ月間を目処に検討を行います。

 具体的には、ゲノム創薬(*4)やテーラーメード医療時代を視野に入れた新しいライフサイエンス社会を創造するために、次の三点を中心に取組みを開始します。

(1) 三菱化学は、三菱化学グループ各社の持つ基礎研究成果やIP(知的財産)、バイオテクノロジーの研究成果および生命現象理解の知識・知見をベースに、富士通の保有する高度な情報技術を活用し、ゲノム創薬事業を推進する。[添付資料1参照]
(2) 富士通は、膨大な量のゲノム/バイオ情報を超高速に処理して、バイオ研究を強力に支援できるポストゲノムマシン(*5)の研究開発を推進し、プラットフォーム事業を強化していく。[添付資料2参照]そして三菱化学と富士通両社は、富士通が保有する製薬会社や病院などにおける豊富なシステム構築実績やIPと、医薬品開発、臨床検査、診断などの三菱化学グループの豊富な事業実績を活かすことによって、両社の現行ビジネスを強化するとともに、新たなビジネスの創出を推進する。
(3) 三菱化学と富士通両社は、国内外の生命科学研究をリードしてきた生命研を、両社協業のための重要な基礎研究拠点と位置付け、その運営や活用形態について検討を行う。
 以上の取組みによって、人々が明るく健康に生活できるよう、未来を先取りした予防医療などの医療サービスに支えられたライフスタイルを提案するとともに、そういった社会を実現できるよう両社が協調していく予定です。
以 上 
[本件に関するお問い合わせ先]
三菱化学株式会社 広報室 内田
TEL 03-3283-6254
富士通株式会社 広報室 関口/菊池
TEL 03-3216-7952
E-Mail:sekiguchi.m@jp.fujitsu.com


用語説明

*1: 国際ヒトゲノム計画(human genome project)
ヒトの染色体上に存在する約30億対におよぶ塩基配列(DNA配列)を解読し、遺伝情報の総体(ゲノム)を明らかにしようとする国際プロジェクトで、1990年にアメリカ、欧州、日本を中心として15年計画で開始された。その後の技術の改良と進展等により計画達成時期が早められた。

*2: バイオインフォマティクス(Bioinformatics)
バイオテクノロジー(生命工学)と情報技術(IT)が融合した技術分野のことで、生命情報科学ともいう。生命科学の実験から得られる大量のデータを、ITを使って処理し、学問的な知識や新薬開発など産業応用に有益な情報を拾い出す手法を指す。

*3: テーラーメード医療(personalized medicine)
個人個人に合った医療。たとえば、これまで同じ症状を見せる患者には、決まった薬が一定量与えられていたが、テーラーメード医療は、個人の遺伝子の微妙な違いを解析し、薬の効き目や副作用を事前に判断しようとするもの。

*4: ゲノム創薬(genomic drug discovery)
ゲノム情報、更にはゲノム上に数%(ヒトの場合)の割合で存在する遺伝子およびそれを鋳型にして作り出される蛋白質の情報を基にして、疾患に関連した遺伝子、蛋白質を解明し創薬のターゲットを発掘し新薬の開発につなげていく創薬の手法。

*5: ポストゲノムマシン(post genomic machine)
ポストゲノム研究を目的に、大量のバイオ情報を高速に処理するコンピュータシステムを意味する。












添付資料1 三菱化学グループ内連携について

 三菱化学グループのライフサイエンス分野のアクティビティには以下のようなものがあり、三菱化学株式会社ライフサイエンス事業推進室(東京都千代田区の本社内)がグループ横断的戦略の企画、推進を行っている。

 三菱化学は、バイオ・ライフサイエンス分野でキーとなる、遺伝子操作・機能解析技術、蛋白質解析技術、細胞操作技術等、遺伝子から細胞、組織、個体までの生命現象を体系的に把握するための世界トップレベルのIP(知的財産)を保有、強化すると共に、バイオテクノロジーと有機合成を組み合わせた材料開発・製造の分野で特徴のある製品群を提供してきた。

●株式会社三菱化学生命科学研究所(Mitsubishi Kasei Institute of Life Sciences)
  本社: 東京都町田市。バイオ関連の基礎研究で30年におよぶ歴史と実績を持つ。バイオテクノロジー研究のリソースやポストゲノムビジネスに有用となる世界でもユニークなIP(知的財産)を構築してきた。
生命情報科学時代においても、中心的な基礎研究機関と位置付けている。
●株式会社三菱化学安全科学研究所(Mitsubishi Chemical Safety Institute Ltd.)
  本社: 東京都港区。薬物動態など、医薬品開発の前臨床試験を手掛ける機関としては、日本最大規模を持つ。
●株式会社三菱化学ビーシーエル(Mitsubishi Kagaku Bio-Clinical Laboratories, Inc.)
  本社: 東京都板橋区。国内第3位の臨床検査機関であり、高精度かつ迅速な臨床検査で医療機関の信頼を得ている。また、日本で唯一のドーピング検査認定機関でもある。
●三菱東京製薬株式会社(Mitsubishi-Tokyo Pharmaceuticals, Inc.)
  本社: 東京都中央区。中枢神経系、代謝系で特徴のある医薬品群の開発・製造・販売を手掛けてきた。
売上は中規模ではあるが、そのパイプラインの充実度・研究能力は業界でも高い評価を得ている。2001年10月を目標にウェルファイドとの合併を検討している。
●株式会社ユカ・メディアス(Yuka Medias Co., Ltd.)
  本社: 診断装置分野で特徴のある製品群の開発、販売を手掛けており、病院・臨床関係 から高い評価を得てきた。
●株式会社菱化システム(Ryoka Systems Inc.)
  本社: 東京都中央区。バイオインフォマティクスなどの分野のソフトウェアベンダー大手、米Molecular Simulations, Inc(Pharmacopeia Inc.[NASDAQ: PCOP]傘下)の日本代理店。
●株式会社植物工学研究所(Plantech Research Institute)
  本社: 東京都千代田区。バイオテクノロジーの手法を駆使して植物の新品種開発、育種技術開発等を行っている。
その他、(株)ジェンコム、(株)ジェー・ジー・エス、ダナフォーム社等国内外のベンチャー企業への出資、国内外の大学、研究機関等との共同研究等、幅広い連携を行っている。


添付資料2 富士通のライフサイエンス分野活動

 富士通のライフサイエンス分野についての概況は以下の通り。ライフサイエンス事業については、富士通株式会社システム本部ライフサイエンス推進室(千葉市美浜区 幕張システムラボラトリ内)が統括している。

●システム本部
   国内最大のソフト・サービスビジネスを行っているSE(システムズエンジニア)組織。
 約20年前から取り組んでいるバイオインフォマティクス、計算化学を中心としたライフサイエンスに関連するビジネスは、1999年に設立したライフサイエンス推進室が統括するとともに自ら実施している。病院などの医療機関向けシステムについては、医療システム事業部が統括している。製薬・化学会社、病院などに対する国内最大のカストマーベースを保有している。
●コンピュータ事業本部、ソフトウェア事業本部など
   スーパーコンピュータやUNIXサーバをはじめ多様なラインナップのコンピュータのハードウェア、基本ソフトウェア、ミドルウェアなどを開発している。
 バイオ研究分野における事業展開に関しては、1986年の旧・蛋白工学研究所(現・生物分子工学研究所)設立時のスーパーコンピュータ導入を皮切りに、公的研究機関や企業の研究開発部門などに供給している。
●富士通研究所
   富士通の研究開発拠点として、インターネットを中心に飛躍的に発展するネットワーク社会をリードするシステム、ソフトウェア、デバイス、材料からサービスまでグローバルな視点で幅広くコア技術を研究開発している。北米、中国にも研究拠点を持っている。
●関連システム会社
    バイオインフォマティクス、計算化学、更に医薬品の研究開発部門における前臨床・臨床試験・市販後調査などの業務支援パッケージソフトウェアを中心に、ソリューションビジネスを展開している。北米、西欧、東欧にも拠点を持っている。


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