| 営業の概況 |
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自 平成8年4月 1日
至 平成9年3月31日 |
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当期における日本経済は、堅調な民間設備投資や住宅投資の増加に支えられて回復基調をたどりましたものの、個人消費や公共投資の伸び悩みにより、その足取りは緩慢なものでありました。
当社の事業環境につきましては、需要は概ね堅調でありましたが、石油化学製品の価格低迷とナフサ等原料価格の高騰の影響を受け、厳しい状況で推移いたしました。
このため、当社は、営業力の強化に努めるとともに、経営各般にわたる一層の合理化・効率化によるコスト削減に取り組んでまいりましたが、売上げの過半を占める石油化学製品の価格水準適正化の遅れなどにより、当期の売上げは、1兆807億円と概ね前期と同水準でありましたものの、経常利益は135億円、当期利益は48億円と、遺憾ながらいずれも前期を下回りました。
部門別の状況
(1)石油化学部門
| イ. |
基礎石化製品・化成品
オレフィンは、堅調でありました。スチレンモノマーは、海外市況の低迷により厳しい状況となりました。アクリル酸エステル、アセトンは、海外を中心に市況が伸び悩み、若干の売上減となりました。オキソアルコールは、国内、海外とも安定した需要に支えられて増収となりました。可塑剤は、需要は旺盛でありましたが、市況の軟化を受け、売上げは前期並みにとどまりました。フェノールは、国内は伸び悩みましたが、欧米を中心とした海外の旺盛な需要を背景に売上増となりました。酸化エチレンは、需要が伸び悩み、前期並みの売上げとなりました。 |
| ロ. |
合成樹脂
ポリエチレン、ポリプロピレンは、需要は堅調でありましたが、原料価格高騰分の価格転嫁が遅れ、低水準を脱するには至りませんでした。塩化ビニルは、市況の低迷により売上げは減少いたしました。ポリスチレンは、国内市況は改善の方向に向かいましたものの輸出が振るわず、売上減となりました。発泡樹脂は、前期並みの売上げとなりました。
なお、ABS樹脂につきましては、日本合成ゴム(株)との共同出資により発足したテクノポリマー(株)に、平成8年10月その事業を移管し、当社は、同社から生産を受託しております。 |
| ハ. |
合成繊維原料等
テレフタル酸は、市況の低迷により売上げは大幅に減少いたしました。エチレングリコール、ポリエチレンテレフタレートは、期後半より徐々に市況の回復が見られましたものの、売上げは減少いたしました。カプロラクタムは、旺盛な国内需要を背景に堅調でありました。アクリロニトリルは、海外需要の伸長はありましたものの市況は軟化し、売上げは減少いたしました。アクリルアマイドは、輸出を中心に売上げは増加いたしました。
以上の結果、石油化学部門の売上高は、5,537億円と前期を6.6%下回りました。 |
(2)炭素アグリ部門
| イ. |
炭素製品
コークスは、国内向けを中心に堅調裡に推移いたしました。カーボンブラックは、輸入品との競争激化により厳しい状況でありましたが、タイヤ向けの増販により、売上増となりました。活性炭は、水処理分野での増販もあり、売上げを伸ばしました。 |
| ロ. |
無機製品・肥料等
肥料は、農作物の輸入増、減反強化等の影響により減販となりましたが、農薬は、農業用殺虫剤の新製品「コテツ」の発売もあり好調裡に推移いたしました。アンモニア系製品、工業用ガスは、前期並みの水準となりました。
以上の結果、炭素アグリ部門の売上高は、1,794億円と前期を3.9%上回りました。 |
(3)機能商品部門
| イ. |
情報電子関連製品
電子写真感光体は、需要は堅調でありましたが、市況の低迷により売上減となりました。トナー、アルミPS版は、需要は堅調ながら市況は低迷し、売上げは微増にとどまりました。ハードディスクは、好調なパソコン需要等を背景に好調裡に推移いたしました。光ディスクは、激しい競争の中、拡販に努めました結果、大幅に売上げを伸ばしました。化合物半導体は、市況が悪化したため低調でありました。半導体製造用薬品は、順調に推移いたしました。 |
| ロ. |
医薬品等
医薬品は、徐放性喘息薬「テオドール」、抗血栓剤「ノバスタン」、抗血小板剤「アンプラーグ」が増販となり、全体として大きく売上げを伸ばしました。診断薬は、厳しい環境の中で拡販に努めました結果、若干の売上増となりました。 |
| ハ. |
機能化学品等
アルミ・樹脂複合板は、旺盛な海外需要に加え、国内の住宅関連需要が伸び、売上げは大幅に増加いたしました。炭素繊維製品は、建築土木分野向けを中心に若干の売上増となりました。合成樹脂系包材は、市況の低迷と食品包装容器向けの伸び悩みにより売上減となりました。軟質プラスチックは、自動車部品向けを中心に、また、イオン交換樹脂は、国内向けを中心に、それぞれ売上げは増加いたしました。シュガーエステル、1,4−ブタンジオールは、いずれも堅調でありました。主としてリチウム電池に使用される高機能電解液は、好調なパソコン、携帯電話需要を背景に大幅な売上増となりました。
以上の結果、機能商品部門の売上高は、3,476億円と前期を8.3%上回りました。 |
(2)次期の見通し
今後につきましては、当社は、引き続き製品価格の是正に努めるとともに、原材料の購入から生産、物流に至るまでの徹底したコスト削減と、全社にわたる要員の効率化を推し進め、業績の早期向上に全力を傾注してまいります。また、戦略的な企業提携や成長市場・高収益分野への積極的な事業展開を図るなどの諸施策により、国際競争力強化を一層推進いたします。
しかしながら、今後の日本経済は、消費税率の引き上げによる個人消費の減退、財政改革に伴う公共投資の抑制が予想される中で、景気回復に停滞感が強まることが懸念され、また、当社の直面する事業環境につきましても、国際競争の一層の激化、円安等による原料調達コストの増大など、依然として厳しい状況が予想されます。
以上のような状況から、現時点におきましては、次期の業績を売上高1兆800億円、経常利益200億円、当期利益100億円と予想しております。
(3)配当政策
当社は、配当につきましては、業績に応じて行うことを基本としつつ、今後の事業展開に備えるための内部留保の充実、配当額の中長期的な安定等を総合的に勘案して決定しております。
当期は、中間配当の実施を見送っておりますが、期末配当金につきましては、業績が低水準なものにとどまりましたことから、誠に遺憾ながら3円とする予定であります。
なお、シェルぺトロリウム社とシェルジャパン社の両社が、その保有する当社株式(併せて約118百万株、5. 38%相当)の大半を処分する意向であるため、これに対応して自己株式を取得して消却すべく、内部留保金の一部をこれに充てることを予定しております。自己株式取得のための諸条件につきましては、時価より低めの買付価格による公開買付を予定しております。
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