三菱ケミカル株式会社

三菱ケミカルメタクリレーツ株式会社

三菱ケミカル株式会社(本社:東京都千代田区、社長:和賀 昌之、以下「当社」)及びその連結子会社である三菱ケミカルメタクリレーツ株式会社(本社:東京都千代田区、社長:佐々木 等、以下「MCM」)は、かねてよりAgilyx Corporation(本社:米国オレゴン州ポートランド、CEOTim Stedman、以下「アジリックス社」)とともにPMMA(ポリメチルメタクリレート、以下「アクリル樹脂」)のケミカルリサイクルのための解重合(※)技術検討を進めてきました。この度、当社、MCM及びアジリックス社は、アジリックス社のオレゴン州ティガードに立地するプラントスケール設備において、アクリル樹脂の解重合技術の実証に成功したことをお知らせいたします。

 

アジリックス社は、ポリスチレンをはじめとする様々なプラスチックに適用できる、独自の熱分解技術を有しています。当社、MCM及びアジリックス社は、2020年よりラボスケールでのアクリル樹脂の解重合試験を行ってきており、20218月よりアジリックス社プラントスケール設備において、本格的な実証試験を実施し、アクリル樹脂を解重合することに成功しました。本実証試験において得られた解重合後の分解物は、従来法で製造されたMMAと同水準の品質レベルまで純度を高めるべく、イギリス・ウィルトンにある当社グループのパイロットプラントで蒸留精製検討を行っています。

当社及びMCMは、かねてよりアクリル樹脂のリサイクルに向けた検討を行っており、日本においてはマイクロ波化学株式会社(本社:大阪府吹田市、社長:吉野 巌)と協力し、事業化に向けた実証試験を進めています。今回、アジリックス社でのプラントスケール設備における実証試験の成功を受けて、欧州と日本国内でその地域特性に適したアクリル樹脂のケミカルリサイクルプラントの建設に向けた更なる検討を加速します。

 

当社はMMA及びアクリル樹脂における世界ナンバーワンシェアのメーカーとして、同事業のサーキュラーエコノミー実現に向けた取り組みを積極的にリードしていきます。

 

(※)重合しているアクリル樹脂を熱などの作用によって分解し、原料であるMMA(メチルメタクリレート)の状態に戻すこと。

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