三菱ケミカル株式会社
三菱ケミカルアクア・ソリューションズ株式会社




三菱ケミカル株式会社(本社:東京都千代田区、社長:越智 仁、以下「当社」)は、膜分離活性汚泥処理法(以下「MBR法」※1)に用いられる水処理膜が、韓国の半導体製造販売会社の半導体工場向け排水処理設備(以下「本設備」)に採用されましたのでお知らせします。当社の100%子会社である三菱ケミカルアクア・ソリューションズ株式会社(本社:東京都品川区、社長:島田 勝彦、以下「三菱ケミカルアクア」)が、本設備を建設する韓国の現代エンジニアリング社(Hyundai Engineering Corporation Co., Ltd.)に水処理膜を納品します。

本設備は、一日当たりの処理量が10万m3を超える大型設備で、産業排水用途のMBR法設備としては世界最大級の処理規模となります。このたびの採用は、三菱ケミカルアクアが独自に開発した水処理膜のエレメント及びモジュールの特長である、高集積に中空糸膜を配置することで従来より更なる省スペース化を実現した点、低ばっ気量でも高いスクラビング洗浄効率を得られるため電力消費量の削減が可能となり省エネルギーを実現した点、一般的に処理が難しいとされる半導体工場向け排水処理におけるこれまでの採用実績で培った実績が高く評価されたことによるものです。

近年、AI・IoTの活用等による半導体使用量増加への対応として、中国では国策として半導体工場を増やす政策が策定されるなど、国内外で半導体工場を新設・増強する動きが本格化しております。またそれに伴い、半導体工場で発生する排水の処理設備についても需要が増加していく見込みで、その際には、処理水の一部を再生水として製造工程で再使用するための高い水質実現性能と、工場稼働を妨げない安定供給性が求められます。当社は、このような需要と要望に応えるMBR法設備向け水処理膜の供給を通じ、水処理の面から半導体産業の拡大に貢献していきます。

当社は、MBR法設備向け水処理膜事業については、国内はもとより、アジア・欧州・米国など、海外においても積極的に事業を展開しております。特にアジアにおいては、半導体工場向け排水処理の他、中国における生活排水・農村集落排水・産業排水などの分野に注力してまいります。

※1 MBR法とは、従来の活性汚泥法が沈殿分離で行っている活性汚泥と処理水の分離を、中空糸膜を用いた膜ろ過に置き換えるもので、沈殿槽を不要とするなど大幅な省スペース化を実現でき、水質の向上も図れます。


採用された水処理膜のモジュール

掲載内容は発表日現在のものです。その後、内容が変更になる場合がありますので、予めご了承ください。