環境保全

三菱ケミカル株式会社

基本方針と重点施策

三菱ケミカルは、地球環境への貢献を目的として、温室効果ガス排出量の削減、省資源・省エネルギーの推進、大気や水・土壌などの汚染の防止、廃棄物の発生抑制・再使用・再資源化の推進、自然環境・生態系の保全活動とそれに資する技術開発の推進、環境に優しい製品の開発・製造などに積極的に取り組み、事業活動のすべての過程において環境負荷の低減に努めています。
また、法令遵守のための環境法令教育や環境監査、法改正情報や最新情報の共有を目的とした三菱ケミカルとそのグループ会社の環境担当者が集まる連絡会を年2回実施しています。

2020年度は、年度目標を「環境事故ゼロおよび地球環境への貢献」と定め、以下の項目を重点施策として活動を推進しました。

■ 環境リスク低減
環境法令教育や環境監査によって法令遵守を徹底するとともに、リスクアセスメントによって計画的に環境リスクを低減します。
■ 環境負荷低減
温室効果ガス排出量の削減、省資源・省エネルギーの推進、環境負荷物質の排出量削減などの環境負荷低減を推進します。
■ 地域社会との共生
地域とのコミュニケーションを通して三菱ケミカルの環境保全への取り組みを発信し、地域社会との共生に努めます。

気候変動への対応

三菱ケミカルは、三菱ケミカルグループ社(MCG社)の環境負荷削減目標「2015年度までに温室効果ガス排出量を2005年度比で17%以上削減」をもとに、温室効果ガスの削減活動に取り組み、2015年度には同目標を達成しました。2016年度以降も目標達成を維持しています。
今後は、政府が掲げる2030年の排出削減目標の達成に向けた活動を組み込んだ、三菱ケミカルとそのグループ会社の中期経営計画を立て、温室効果ガスのさらなる削減に取り組んでいきます。

温室効果ガス排出量
温室効果ガス排出量
  • 2016年度のデータは、三菱ケミカル発足前の旧三菱化学、旧三菱樹脂、旧三菱レイヨンおよび各社の国内グループ会社の合算値。
  • GHGプロトコルに準拠して集計。
  • 2019年度以降は、MCG社中長期経営基本戦略「KAITEKI Vision 30」のバウンダリを拡大することに伴い数値を見直しています。

TOPICS:広島事業所 バイオマス燃料によるGHG(CO2)削減の取り組み

三菱ケミカル広島事業所の自家発電設備は、石炭焚きボイラーで電気・蒸気を製造し供給しています。ボイラーのCO2排出量は事業所排出量の約9割を占めており環境負荷が大きかったため、負荷を低減すべく2008年からCO2削減に寄与する燃料の検討に取り組んできました。木くずを利用したバイオマス燃料を本格的に混合燃焼することにより、2019年度は年間4,700トンの削減効果を達成しました。今後、さらに混焼率を上げCO2削減効果の向上をめざします。
CO2削減と燃料コストのバランスを取りながら、環境に配慮した技術でKAITEKIの実現に貢献できるよう一致団結して取り組んでいます。

広島事業所 バイオマスボイラー
広島事業所 バイオマスボイラー

ライフサイクルアセスメントの取り組み

ライフサイクルアセスメントとは、ある製品・サービスのライフサイクル全体(資源採取-原料生産-製品生産-流通・消費-廃棄・リサイクル)または、これらの特定段階における環境負荷を定量的に評価する手法です。三菱ケミカルは、製品・サービスのライフサイクル全体の環境負荷を評価することで、環境により配慮した製品・サービスを開発し、社会に提供できるように取り組んでいます。

大気、水質、土壌の汚染防止

三菱ケミカルは、多種多様な化学物質を取り扱っていることから、排ガス・排水処理設備の導入・改善による有害大気汚染物質の排出量削減や、公共水域への汚染物質の排出量削減に、継続的に取り組んでいます。
大気、水質への環境負荷物質(NOX、SOX、ばいじん、COD)の排出量は、低減もしくは維持しています。PRTR*1法対象物質、VOC*2についても低減傾向にあります。

大気・公共水域への環境負荷削減
大気・公共水域への環境負荷削減
PRTR法対象物質排出量
PRTR法対象物質排出量
VOC排出量
VOC排出量
  • *1PRTR(Pollutant Release and Transfer Register):化学物質排出移動量届出制度。有害性のある化学物質がどのような発⽣源から、どれくらい環境中に排出されたか、あるいは廃棄物に含まれて事業所の外に運び出されたかというデータを把握、集計し、公表する仕組み。
  • *2VOC(Volatile Organic Compounds):揮発性有機化合物。代表的な物質としてトルエン、キシレンなどがある。これらは光化学オキシダント(光化学スモッグ)の原因物質の一つとして、2006年の改正⼤気汚染防⽌法で規制対象となった。
  • 2019年度以降は、MCG社中長期経営基本戦略「KAITEKI Vision 30」のバウンダリを拡大することに伴い数値を見直しています。

TOPICS:滋賀事業所 環境保全の取り組み

三菱ケミカル滋賀事業所では、原料として樹脂ペレットを多く取り扱いますが、雨水排水路の各所にペレット流出防止網を設置するなど公共河川への漏出防止対策を実施しています。
さらに長浜市と「美しい長浜をつくる会」が主催する「びわ湖・余呉湖一斉清掃」へ滋賀事業所からも毎年参加し、地域の環境保全に努めています。今後も美しい地域の自然を守るため、環境に配慮した取り組みを進めます。

びわ湖・余呉湖一斉清掃
びわ湖・余呉湖一斉清掃

廃棄物削減・リサイクル

三菱ケミカルは、廃棄物の3R(リデュース、リユース、リサイクル)活動を推進し、廃棄物の削減に取り組んでいます。リサイクル率を向上させ、最終埋立処分量は減少傾向にありましたが、2020年度はプラント解体に伴う一過性の廃棄物が発生したことにより最終埋立処分量が増加しています。今後も廃棄物の分別管理徹底や処理先との連携強化によるリサイクル率向上に取り組んでいきます。

廃棄物発生量とリサイクル率
廃棄物発生量とリサイクル率
最終埋立処分量と最終埋立処分率
最終埋立処分量と最終埋立処分率
  • 2019年度以降は、MCG社中長期経営基本戦略「KAITEKI Vision 30」のバウンダリを拡大することに伴い数値を見直しています。

生物多様性の保全

三菱ケミカルは「三菱ケミカルグループ生物多様性保全の方針別タブでリンクを開く」に基づき、生物多様性の保全につながる地球環境への貢献活動を継続的に実施しています。この活動では、環境リスクおよび環境負荷の低減により事業活動に伴う生物多様性への影響を低減するとともに、近隣地域および海岸周辺の清掃、事業所の緑地保全による自然環境保護などにも取り組んでいます。

環境会計

三菱ケミカルは、環境省のガイドラインに基づいた環境会計に取り組み、環境負荷削減や環境保全の費用と効果を把握しています。
2020年度は、排水管理や大気汚染防止の強化などで投資額が22億円、公害防止に係る設備の維持管理や廃棄物の適正処分などで費用額は351億円となりました。また、有価物の売却益、省エネルギー、廃棄物処理費用の削減などで、利益額は12億円となっています。

環境・保安安全に関わる投資と費用

環境保全コスト単位:百万円

分類 主な実施項目 2020年度
投資額 費用額
事業エリア内コスト 公害防止コスト 大気汚染防止
粉じん対策強化、集じん設備更新
水質汚濁防止
活性汚泥統合、排水管理強化、排水設備および配管劣化対応 ほか
1,639 15,642
地球環境保全コスト CO2削減対策、運転改善 ほか 313 902
資源循環コスト 産業廃棄物削減、廃棄物適正処分、省資源、省エネ ほか 241 7,851
上・下流コスト 廃材回収、グリーン購入 ほか 0 0
管理活動における環境保全コスト 環境保全対策組織運用
ISO14001維持/更新
国家試験、環境教育 ほか
0 2,123
研究開発活動における環境保全コスト 生産効率向上などの研究開発 0 7,418
社会活動における環境保全コスト 工場緑地新設および維持管理 17 489
環境損傷に対応するコスト 汚染土壌の浄化 ほか 2 72
その他環境保全に関連するコスト   0 570
合計 2,212 35,067

経済効果単位:百万円

  2020年度
リサイクルにより得られた収入額 698
省エネルギーによる費用削減額 277
省資源で得られた収入額 193
合計 1,168

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