トップメッセージ

2017年4月、三菱化学、三菱樹脂、三菱レイヨンの3社統合によって、私たち「三菱ケミカル株式会社」が誕生しました。三菱ケミカルは、三菱ケミカルホールディングスグループの中核事業会社として、環境・社会の課題にソリューションを提供し、KAITEKI1実現をめざします。

代表取締役 取締役社長
越智 仁

激動する経営環境

近年、気候変動の増大や異常気象の頻発、水資源の偏在、人口増加や高齢化、食糧・農業問題といった地球規模のリスクが顕在化し、解決できていない課題、解決しなければならない課題が数多く生じ、サステナビリティは危機的状況にあります。一方で、情報通信技術やIoT関連技術、人工知能、ロボティクス、バイオ関連技術をはじめとする科学技術がかつてないスピードで進化を遂げており、社会や市場、そして人間のあり方そのものに不可逆的な変化をもたらしつつあります。私たちの生活、社会、そして地球環境は、まさに大きな転換点を迎えていると言えるでしょう。
企業を取り巻く経営環境もそれに伴い大きく変化しています。これまでのような安定した経済成長が見込めなくなり、環境変化のスピードは増し、いくつもの要因が複雑に絡み合う様相を呈し、経営環境は先行き不透明かつ変動性が大きなものに変容しています。

私たちのビジョン「KAITEKI実現」へ向けて

このような中、企業が持続的に成長していくためには、従来のような資本の効率化のみを追求した経営だけでは不十分であり、ゆるぎない価値観を礎に、財務と非財務の両面から企業価値を高めていく経営が必要です。
事業活動がもたらす財務価値の向上は、企業が存続し、かつ、持続的成長を遂げていくための必要条件です。一方で、イノベーションの創出やサステナビリティへの貢献、安心・安定・安全の確保、コンプライアンスの徹底や健康・快適度の向上といった非財務価値は、ステークホルダーの皆さまの信頼を維持・向上させるとともに、先行き不透明な経営環境の中で私たちが向かうべき方向性を明らかにし、変化をチャンスとして捉える視点を与えます。企業の持続的成長を確かなものにするには、これらを互いに独立させて取り組むのではなく、事業活動を通して非財務価値を生み出し、非財務価値の方向性を明確にすることで事業活動が強化されるという好循環を力強く推し進めていかなければなりません。
私たちが実践しているKAITEKI経営はまさにこの考え方に基づくものであり、KAITEKI実現をビジョンに据え、資本の効率化を追求する経営、イノベーション創出を追求する経営、そして、サステナビリティの向上を通じて社会的価値向上を追求する経営を、時間や時機を含めた時代の大きな潮流を意識しながら一体的に実践しています。それによって私たちは、環境・社会の課題に対するソリューションを提供するにとどまらず、広く人・社会・地球の持続可能な発展に貢献してまいります。

2017年度の取り組み

新社発足の年となった2017年度は、KAITEKI実現に向けて二つの大きな取り組みを進めていきます。
一つ目は、健康経営です。これは健康支援と働き方改革を両輪として、健康という視点から、企業の最も大切な財産の一つである「働く人」の活躍を最大化するための取り組みです。健康支援では、従業員の意識と行動変容を促し、心身ともに「健康」な状態を追求していきます。働き方改革では、課長層のリーダーシップにより各職場単位で仕事のやり方を抜本的に改革することで時間を創出し、ワークライフバランスや価値を創造する業務に注力できるようにしていきます。
二つ目は、高効率な経営を確実にしていくための全社改善活動「UP!20」です。旧3社で実施していた全社改善活動を統合し、ROIC2の向上につながっているあらゆる要素をすべての従業員が自分の業務とひも付け、各部署で関連性の高い指標を設定し、それぞれの職場で目標達成に向けた取り組みを行っていきます。また、あらゆる組織で仕事の進め方を見直し、無駄の削減で業務の効率性を高め、イノベーションの創出を加速させます。これらを全員参加の全社活動として進めていきます。
健康経営と全社改善活動UP!20の取り組みは、個別に進めるのではありません。働き方改革を中心に有機的統合を図ることで、従業員・組織の活性化と生産性の向上、そしてイノベーション創出に結実させていきます。まさに、財務価値と非財務価値を一体的に高めるKAITEKI経営の具体例と言えるでしょう。

ステークホルダーの皆さまへ

そして、私たちのビジョンであるKAITEKI実現—人・社会・地球の持続可能な発展を実現するためには、ステークホルダーの皆さまとの協奏が不可欠です。私たちは、ステークホルダーの皆さまとの対話や情報開示を通じて課題・目標を共有し、企業活動を推進していきます。私たち三菱ケミカルの活動に関して、今後とも皆さまのご理解と、さらなるご支援を賜りますようお願い申し上げます。

  • 1「時を越え、世代を超え、人と社会、そして地球の心地よさが続く状態」を表す三菱ケミカルホールディングスが提唱しているオリジナルコンセプト。
  • 2Return on Invested Capitalの略。税引き後コア営業利益を分子に、固定資産+正味運転資金を分母に取った経営指標で、事業運営の効率性を示す。