基本方針

国際連合を中心とした国際的な取り組みなどにより大量破壊兵器等の脅威を抑制する努力が日々なされている半面、経済安全保障と呼称される米中間等の各国間や地域間の対立が激しさを増し、安全保障を取り巻く国際環境は激しく変化しています。
一方日本は「ルールに基づく国際秩序」を志向し、日EU・EPA(日本・EU経済連携協定)等の多国間協定の策定を主導しており、この利用が進んできています。
三菱ケミカルは、安全保障に係るリスク管理と経済連携協定の有効活用を図ることが、サステナビリティを具体化するためには重要と考えており、そのため特に安全保障輸出管理については、以下の安全保障輸出管理方針のもと、外国為替及び外国貿易法(外為法)のみならず、米国の輸出関連法をはじめとするさまざまな国の同様の法律を適切に運用し、安全保障輸出管理の徹底に努めています。

三菱ケミカルとそのグループ会社の安全保障輸出管理方針

  • (1) 国際的な平和および安全の維持を脅かすような懸念ある取引は行わない。
  • (2) 事業を行う国と地域に適用される輸出管理法令を遵守する。
  • (3) 輸出管理に係る責任者を定め、輸出管理に係る体制の整備、充実を行う。
  • (4) 米国原産の製品、技術の再輸出を行う場合は米国法令を遵守する。

安全保障輸出管理体制

三菱ケミカルは、安全保障輸出管理規則に基づき、社長を最高責任者とする階層的な輸出管理体制を構築しています。そしてこの体制を通じ、輸出審査の徹底、法令改正の周知、安全保障輸出管理の社内啓発、輸出担当部署への内部監査を実施し、法令違反の未然防止やレピュテーションリスクの回避に取り組んでいます。2020年からは地域統括会社での輸出管理機能強化のため、各地域とのネットワーク構築を開始しました。また経済連携協定における原産性判定についても本体制を適用し有効利用を図るようにしました。

輸出審査の仕組み

三菱ケミカルは、輸出審査システムを利用した該非判定、顧客審査、取引審査の3つの審査を実施しています。近年は米国による制裁など外国企業を制限する規則が多く出されているため、これら規則の動向にも留意しています。
また経済連携協定においても、本システムを適用し、対応を図るようにしました。

啓発・教育

三菱ケミカルは、輸出管理および経済連携協定について、法令や社内規則遵守の徹底のため、定期・随時の社内教育を行っています。2020年度は、新型コロナウイルス感染症対策のためウェブ会議を中心として、事業部門、共通機能部門、事業所、研究所、支社に対し、合計49回の説明会を実施しました。また、e-ラーニングによる安全保障輸出管理研修を実施し、延べ10,979名が受講しました。今後も、法令遵守の基本を押さえながら、実務上新たに必要となった教育コンテンツや教育ツールを導入するなど工夫を凝らした啓発・教育を実施していきます。また近年話題となっている経済安全保障や海外での法令の制定や改正についても、国内外政府等からの情報を適切に収集し、適時周知するとともに、関係部署と協議し適切に対応することに努めていきます。

効果

三菱ケミカルは、このような取り組みの結果、2020年度は安全保障輸出管理に係る法令違反はゼロ、経済連携協定利用での直接輸出において輸入国側で約5億円の関税減免額を達成することができました。
今後も、これらの活動を通じてKAITEKI実現に貢献していきます。