事例

Case study

海洋・船舶

炭素繊維複合材料(CFRP)は、ヨットなどの小型船から護衛艦などの大型船に至るまで、
様々な船種に使用され、軽量化や燃費向上、耐久性向上に貢献しています。
ここでは、CFRPプロペラの適用例をご紹介します。

菱翠に搭載のCFRPブレード

プロペラ
CFRPプロペラで高燃費と居住性向上を実現

従来、船舶用のプロペラ(スクリュー)の素材は、銅合金が主流でした。
プロペラブレードの素材を炭素繊維複合材料(CFRP)に置き換えることで、軽量化、高燃費、振動の低減を実現しています。また、CFRPプロペラは、三菱ケミカル物流株式会社保有の船舶に搭載され、環境に配慮した輸送を実現しています。

船舶輸送時の燃料消費を4%削減(三菱ケミカル物流調べ)

  • 炭素繊維複合材料(CFRP)は、従来の銅合金よりも軽量で高強度であり、プロペラ重量の大直径化に貢献
  • ブレードの根本が硬く、先端を柔らかくする設計によって、急激な変動(急発進、荒天航海)の不可を低減
  • 航行時の真空波(キャビテーション)の発生を抑制することで、推進性能アップ

炭素繊維複合材料(CFRP)は炭素繊維の方向によって性能に異方性があり、銅合金をはじめとした金属材料と比べて、設計の自由度が大きくなります。そのため、ブレードの形状が流れにマッチングするよう設計すれば、急発進時や荒天時の過負荷を低減できます。加えて、プロペラや船体にダメージを与える真空波(キャビテーション)を抑制することができます。
炭素繊維複合材料(CFRP)は銅合金に比べて比重が約5分の1のため、同等の性能でも大変軽量なプロペラとなります。据付が容易になるだけでなく、慣性モーメント低減により、軸受の負担を軽量化も実現できます。また、軽量な素材であることによって、プロペラの大直径化を実現し、推進効率を向上させることも可能です。

菱翠に搭載のCFRPブレード

乗務員の乗り心地を改善

  • 振動減衰性(従来の銅合金よりも炭素繊維は振動がすぐに収まる特徴がある)
  • 振動減衰性による、鳴音の抑制、ねじり振動応力の低減
  • 振動、騒音が少ないため、居住環境が快適になり、船員のストレスも低減

炭素繊維複合材料(CFRP)が従来の材料である銅合金に比べて軽量であること、また揺れを吸収する特性が高いことから、船内の振動や騒音が低減されるという効果があります。
実際に、食堂、操舵室、機関室など船内の主要な場所において、騒音が少なくなることが認められました。特に食堂においては、今まで食事中にテレビの音が聞こえづらいなど、騒音が船員のストレスの一つとなっていましたが、クリアに聞こえるようになったとのことで、非常に喜ばれています。

CFRPプロペラ

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