事例
Case study
自動車
自動車市場では燃費規制やCO2排出規制の強化を背景とした車体軽量化への関心が高まっており、
軽さと高い強度を併せ持つ炭素繊維複合材料(CFRP)の自動車部材への適用が期待されています。
ここでは乗用車のバックドアへの適用例を紹介します。
バックドア
FMC(CF-SMC)でバックドアの軽量化に成功
自動車への炭素繊維複合材料(CFRP)の適用は、部材生産に時間がかかりコストも高いことから、これまでは生産台数の限定された高級車などに限られておりましたが、CF-SMCを用いることで、軽量化と生産性の向上を両立させ、量産車への展開を実現しています。
アルミバックドア比で約40%の軽量化に成功
- 速硬化材料用いることで生産性を向上
- 流動性が良いため、複雑な部品形状の成形が可能に
- 炭素繊維を用いることで、アルミ比で40%の軽量化に成功
当社が開発したFMC(CF-SMC)は、炭素繊維複合材料(CFRP)の中間材料の一種で、長さ数センチメートルにカットされた炭素繊維を樹脂中に分散させたシート状の材料です。プレス成形により2~5分程度の短時間で部材に加工可能で、連続した炭素繊維に樹脂を含浸させた中間材料であるプリプレグと比べて、複雑な形状の部材を成形することができるという特長を持ちます。また、機械特性が均質に近いため、従来の部材設計ノウハウを活かしながら比較的容易に炭素繊維を利用して、軽量化と高強度化を実現することができます。大幅な軽量化と高い部材性能を実現できた点、また、複雑形状の部材を生産可能とする成形性に優れる点、量産車部材の製造に必要な生産性を兼ね備えた点を高く評価されたことにより採用に至りました。
